「Jeffressモデル」の版間の差分

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== モデルの構成 ==
== モデルの構成 ==
 Jeffressモデルでは、数十~数百マイクロ秒の時間差を脳内で補償するような「遅延線(delay line)」と呼ばれる機構を想定する。遅延線の先には「同時性検出器(coincidence detector)」と呼ばれる素子が列になって並んでおり、左右の耳から入った音の情報を受け取るようになっている('''図1''')。遅延線に沿った伝達距離に応じて、それぞれの検出器に異なるタイミングで音の情報が届く。左右の遅延線からの入力タイミングが揃ったときに検出器の出力は大きくなり、入力の時間差が大きくなるに従って出力は減少する。
 Jeffressモデルでは、数十~数百マイクロ秒の時間差を脳内で補償するような「[[遅延線]](delay line)」と呼ばれる機構を想定する。遅延線の先には「[[同時性検出器]](coincidence detector)」と呼ばれる素子が列になって並んでおり、左右の耳から入った音の情報を受け取るようになっている('''図1''')。遅延線に沿った伝達距離に応じて、それぞれの検出器に異なるタイミングで音の情報が届く。左右の遅延線からの入力タイミングが揃ったときに検出器の出力は大きくなり、入力の時間差が大きくなるに従って出力は減少する。


 例えば音源が正面にある場合は、左右からの遅延線における伝達の遅れが等しくなる場所(図1上の中央の紫丸で示された同時性検出器)で、両側からの入力の同期が生じ、出力が最大となる。音源が別の場所にあるときは、別の位置にある検出器で入力の同期が生じる。もし音源が頭の右側にあるならば('''図1下''')、音波が右耳に早く届いた分だけ、右耳からの信号は遅延線を長く進み、結果的に太い矢印の位置で左右の入力タイミングが一致して、そこで検出器の出力が最大となる。
 例えば音源が正面にある場合は、左右からの遅延線における伝達の遅れが等しくなる場所(図1上の中央の紫丸で示された同時性検出器)で、両側からの入力の同期が生じ、出力が最大となる。音源が別の場所にあるときは、別の位置にある検出器で入力の同期が生じる。もし音源が頭の右側にあるならば('''図1下''')、音波が右耳に早く届いた分だけ、右耳からの信号は遅延線を長く進み、結果的に太い矢印の位置で左右の入力タイミングが一致して、そこで検出器の出力が最大となる。