「アフリカツメガエル」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
1行目: 1行目:
<div align="right"> 
<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0053524 上野 直人]</font><br>
''基礎生物学研究所 発生生物学領域 岡崎国立共同研究機構 (基礎生物学研究所) 発生生物学研究系''<br>
DOI XXXX/XXXX 原稿受付日:2012年5月11日 原稿完成日:2012年7月5日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/noriko1128 大隅 典子](東北大学 大学院医学系研究科 附属創生応用医学研究センター 脳神経科学コアセンター 発生発達神経科学分野)<br>
</div>
{{Taxobox
{{Taxobox
| name = African clawed frog
| name = African clawed frog
16行目: 23行目:
}} 学名:''Xenopus laevis'' 英語名: African clawed frog 独:Afrikanischer Krallenfrosch 仏:xénope du Cap  
}} 学名:''Xenopus laevis'' 英語名: African clawed frog 独:Afrikanischer Krallenfrosch 仏:xénope du Cap  


{{box|text=
 アフリカ原産の[[wikipedia:ja:カエル|カエル]]([[wikipedia:ja:両生類|両生類]])。古くは妊婦の尿中に含まれる[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]][[wikipedia:ja:絨毛性ゴナドトロピン|絨毛性ゴナドトロピン]](hCG)に応答し[[wikipedia:ja:排卵|排卵]]することから[[wikipedia:ja:妊娠|妊娠]]検査に用いられていたが、[[wikipedia:ja:卵|卵]]が比較的大きく(直径約1.2 mm)[[wikipedia:ja:胚|胚]]操作が容易であることから生物学、医学研究における[[モデル生物]]として世界に拡散し長い間重用されてきた。飼育は20℃前後で行われ比較的容易であるが、世代交代時間が1-2年と長く遺伝学には不向きとされている。近縁種の[[wikipedia:Western clawed frog|ネッタイツメガエル]]''Xenopus tropicalis''はアフリカツメガエルの[[wikipedia:ja:染色体|染色体]]が偽4倍体であるのに対して2倍体であること、最近[[wikipedia:ja:ゲノム|ゲノム]]解読が終了したことなどからネッタイツメガエルも近年遺伝学を可能にする両生類モデル生物として拡大しつつある<ref name=ref1><pubmed>21963197</pubmed></ref>。  
 アフリカ原産の[[wikipedia:ja:カエル|カエル]]([[wikipedia:ja:両生類|両生類]])。古くは妊婦の尿中に含まれる[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]][[wikipedia:ja:絨毛性ゴナドトロピン|絨毛性ゴナドトロピン]](hCG)に応答し[[wikipedia:ja:排卵|排卵]]することから[[wikipedia:ja:妊娠|妊娠]]検査に用いられていたが、[[wikipedia:ja:卵|卵]]が比較的大きく(直径約1.2 mm)[[wikipedia:ja:胚|胚]]操作が容易であることから生物学、医学研究における[[モデル生物]]として世界に拡散し長い間重用されてきた。飼育は20℃前後で行われ比較的容易であるが、世代交代時間が1-2年と長く遺伝学には不向きとされている。近縁種の[[wikipedia:Western clawed frog|ネッタイツメガエル]]''Xenopus tropicalis''はアフリカツメガエルの[[wikipedia:ja:染色体|染色体]]が偽4倍体であるのに対して2倍体であること、最近[[wikipedia:ja:ゲノム|ゲノム]]解読が終了したことなどからネッタイツメガエルも近年遺伝学を可能にする両生類モデル生物として拡大しつつある<ref name=ref1><pubmed>21963197</pubmed></ref>。  
}}


== 神経科学に於ける利用  ==
== 神経科学に於ける利用  ==
45行目: 54行目:


<references />
<references />
(執筆者:上野直人 担当編集者:大隅典子)