「デルタ型グルタミン酸受容体」の版間の差分

4行目: 4行目:
 [[小脳]][[顆粒細胞]]の[[軸索]]は[[平行線維]]と呼ばれ、小脳[[プルキンエ細胞]]の遠位樹状突起の[[棘突起]]上において[[シナプス]]を形成する。
 [[小脳]][[顆粒細胞]]の[[軸索]]は[[平行線維]]と呼ばれ、小脳[[プルキンエ細胞]]の遠位樹状突起の[[棘突起]]上において[[シナプス]]を形成する。


 デルタ2受容体 (GluD2)はプルキンエ細胞に非常に強く発現しとりわけ棘突起に局在する。GluD2欠損マウスでは、平行線維-プルキンエ細胞シナプスの数が正常の60%ほどに減少し、小脳性の[[運動失調]]を呈する<ref name=Kashiwabuchi1995><[[pubmed]]>7736576</pubmed></ref> 。神経活動が一定期間亢進すると平行線維-プルキンエ細胞シナプス伝達が[[長期抑圧]](long-term depression; LTD)<ref name=Ito2001><[[PubMed|pubmed]]>11427694</pubmed></ref>されることが知られており、この現象が小脳[[運動学習]]に重要な働きをすると考えられているが、GluD2欠損マウスではLTDが障害される。
 デルタ2受容体 (GluD2)はプルキンエ細胞に非常に強く発現しとりわけ棘突起に局在する。GluD2欠損マウスでは、平行線維-プルキンエ細胞シナプスの数が正常の60%ほどに減少し、小脳性の[[運動失調]]を呈する<ref name=Kashiwabuchi1995><pubmed>7736576</pubmed></ref> 。神経活動が一定期間亢進すると平行線維-プルキンエ細胞シナプス伝達が[[長期抑圧]](long-term depression; LTD)<ref name=Ito2001><pubmed>11427694</pubmed></ref>されることが知られており、この現象が小脳[[運動学習]]に重要な働きをすると考えられているが、GluD2欠損マウスではLTDが障害される。


 このように、GluD2は平行線維-プルキンエ細胞シナプスにおいてシナプス形成と[[シナプス可塑性]]という2つの機能を担う。
 このように、GluD2は平行線維-プルキンエ細胞シナプスにおいてシナプス形成と[[シナプス可塑性]]という2つの機能を担う。