「トーク:膜容量測定法」の版間の差分

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*図1右図でのセルアタッチドでの膜容量測定の図ですが、これは、たまたまピペット直下で小胞が融合している図でしょうか?
*図1右図でのセルアタッチドでの膜容量測定の図ですが、これは、たまたまピペット直下で小胞が融合している図でしょうか?


 そうです。
   そうです。


マストセルなどmassiveに分泌する細胞ならこのようなことも起きるかもしれませんが、神経細胞で分泌場所の真上にパッチすることは可能なのでしょうか?
マストセルなどmassiveに分泌する細胞ならこのようなことも起きるかもしれませんが、神経細胞で分泌場所の真上にパッチすることは可能なのでしょうか?


 可能です。
   可能です。文献[4]


逆にマストセルでは、他の部位で小胞放出が起きてしまったりして困らないでしょうか?
逆にマストセルでは、他の部位で小胞放出が起きてしまったりして困らないでしょうか?


 これで困らないことを
   これで困らないことを下記のように追加しました。
  「パッチ膜以外の細胞膜のインピーダンスはパッチ膜に比して低すぎるので無視されると考えられ、パッチ膜のインピーダンス変化だけが捉えられる。」
 
Breckenridge & Almers.Nature 328;814-7, 1987は、セルアタッチではなく、ホールセルでの実験のように思いましたが、私の勘違いでしょうか?
 
    この論文では両方やってあります。
 
関連する質問ですが、「軸索終末への応用も試みられている。この場合、高周波正弦波が軸索に沿って著しく減衰するので、単一終末の開口放出やエンドサイトーシスを記録することが可能と考えられている。」とありますが、この意味するところがよく分かりませんでした。正弦波が減衰してしまうならば、終末部の開口放出による膜容量変化はdetectできないように直感的には感じます。
 
   誤解されるような表現でしたので、直しました。これはCalyx of Heldで膜容量測定ができてしまう原理です。
 
多分、私の固定概念と思いますが、膜容量測定法は強力な方法であるものの、あくまで小胞放出部位の近くにspace clampできるサンプル(例えば神経系ではCalyx of Heldなど)に限られるように思っていました。神経系への応用可能性とその限界といった観点から、もう少し説明していただけると私としては有り難いです。
 
   本当に、限界が多くあまりいい方法とは思いません。この限界について、最終段の解説をより明瞭にしました。
 
   ご校閲よろしくお願いいたします。
 
河西春郎
 
==編集 柚崎 作業記録==
 
河西先生
 
ご改訂有り難うございました。私にとって分かりにくかった点がよく分かるようになり、改めて勉強させていただきました。有り難うございました。
 
柚崎   

2013年4月25日 (木) 19:14時点における最新版

編集 林 作業記録

  • 内部リンク、外部リンク作成

--Yasunori Hayashi 2013年2月1日 (金) 08:09 (JST)

編集 柚崎 作業記録

  • 遅くなり済みません。勉強させていただきました。以下、私が良く理解できなかった点を書きます。
  • 図1右図でのセルアタッチドでの膜容量測定の図ですが、これは、たまたまピペット直下で小胞が融合している図でしょうか?マストセルなどmassiveに分泌する細胞ならこのようなことも起きるかもしれませんが、神経細胞で分泌場所の真上にパッチすることは可能なのでしょうか?逆にマストセルでは、他の部位で小胞放出が起きてしまったりして困らないでしょうか?ここでの参考文献[3]Breckenridge & Almers.Nature 328;814-7, 1987は、セルアタッチではなく、ホールセルでの実験のように思いましたが、私の勘違いでしょうか?
  • 関連する質問ですが、「軸索終末への応用も試みられている。この場合、高周波正弦波が軸索に沿って著しく減衰するので、単一終末の開口放出やエンドサイトーシスを記録することが可能と考えられている。」とありますが、この意味するところがよく分かりませんでした。正弦波が減衰してしまうならば、終末部の開口放出による膜容量変化はdetectできないように直感的には感じます。多分、私の固定概念と思いますが、膜容量測定法は強力な方法であるものの、あくまで小胞放出部位の近くにspace clampできるサンプル(例えば神経系ではCalyx of Heldなど)に限られるように思っていました。神経系への応用可能性とその限界といった観点から、もう少し説明していただけると私としては有り難いです。

--利用者:Michisuke Yuzaki 2013年4月3日 (水)


柚崎先生、注意深いご査読ありがとうございました。 全体的にわかりやすくなるように直しました。

  • 図1右図でのセルアタッチドでの膜容量測定の図ですが、これは、たまたまピペット直下で小胞が融合している図でしょうか?

  そうです。

マストセルなどmassiveに分泌する細胞ならこのようなことも起きるかもしれませんが、神経細胞で分泌場所の真上にパッチすることは可能なのでしょうか?

  可能です。文献[4]

逆にマストセルでは、他の部位で小胞放出が起きてしまったりして困らないでしょうか?

  これで困らないことを下記のように追加しました。   「パッチ膜以外の細胞膜のインピーダンスはパッチ膜に比して低すぎるので無視されると考えられ、パッチ膜のインピーダンス変化だけが捉えられる。」

Breckenridge & Almers.Nature 328;814-7, 1987は、セルアタッチではなく、ホールセルでの実験のように思いましたが、私の勘違いでしょうか?

    この論文では両方やってあります。

関連する質問ですが、「軸索終末への応用も試みられている。この場合、高周波正弦波が軸索に沿って著しく減衰するので、単一終末の開口放出やエンドサイトーシスを記録することが可能と考えられている。」とありますが、この意味するところがよく分かりませんでした。正弦波が減衰してしまうならば、終末部の開口放出による膜容量変化はdetectできないように直感的には感じます。

   誤解されるような表現でしたので、直しました。これはCalyx of Heldで膜容量測定ができてしまう原理です。

多分、私の固定概念と思いますが、膜容量測定法は強力な方法であるものの、あくまで小胞放出部位の近くにspace clampできるサンプル(例えば神経系ではCalyx of Heldなど)に限られるように思っていました。神経系への応用可能性とその限界といった観点から、もう少し説明していただけると私としては有り難いです。

   本当に、限界が多くあまりいい方法とは思いません。この限界について、最終段の解説をより明瞭にしました。

   ご校閲よろしくお願いいたします。

河西春郎

編集 柚崎 作業記録

河西先生

ご改訂有り難うございました。私にとって分かりにくかった点がよく分かるようになり、改めて勉強させていただきました。有り難うございました。

柚崎