「一酸化窒素」の版間の差分

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<font size="+1">中矢 直樹</font><br>
<font size="+1">中矢 直樹</font><br>
''米国国立衛生研究所・眼研究所''<br>
''米国国立衛生研究所・眼研究所''<br>
DOI [[XXXX]]/XXXX 原稿受付日:2013年12月2日 原稿完成日:2013年月日<br>
DOI: <selfdoi /> 原稿受付日:2013年12月2日 原稿完成日:2014年11月2日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/2rikenbsi 林 康紀](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/2rikenbsi 林 康紀](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br>
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同義語:血管内皮細胞由来弛緩因子、EDRF
同義語:血管内皮細胞由来弛緩因子、EDRF


{{box|text= 一酸化窒素は分子量30の不安定な物質である。生体内ではシグナル伝達分子として働く。アルギニンから一酸化窒素合成酵素により合成され、グアニル酸シクラーゼを活性化することでcGMP産生を向上させる、タンパク質をニトロシル化、ニトロ化する、あるいは活性化酸素として機能するなど、幾つかの作用機序が知られている。生体における機能としては、シナプス可塑性の調節因子、脳血流量の調節因子、神経細胞死への関与などが挙げられる。}}
{{box|text= 一酸化窒素は分子量30の不安定な物質である。生体内ではシグナル伝達分子として働く。アルギニンから一酸化窒素合成酵素により合成され、グアニル酸シクラーゼを活性化することでcGMP産生を向上させる、タンパク質をニトロシル化、ニトロ化する、あるいは活性化酸素として機能するなど、幾つかの作用機序が知られている。生体における機能としては、シナプス可塑性の調節因子、脳血流量の調節因子、神経細胞死への関与などが挙げられる。NOが関与するシナプス可塑性としては[[小脳]]の[[長期抑圧]]、[[海馬]]の[[長期増強]]、[[大脳皮質]]の長期増強などがある。いずれの場合も、特定の膜に閉ざされたコンパートメントから、別の膜に閉ざされたコンパートメントに、NOのガス拡散特性によって情報を伝達しているという点に特徴がある。NOの放出部位はシナプス前部、後部、[[抑制性介在神経]]と多彩であり、NOはシナプスの可塑性に必須な因子というより、状況に応じて誘発を促進する調節因子であるという点が共通している。}}


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