「初代培養」の版間の差分

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== 初代培養の歴史 ==
== ニューロンの初代培養の歴史 ==


 19世紀中頃に、[[wikipedia:Wilhelm His, Sr.|Wilhelm His]]はニューロンの軸索がどのように形成されるのかについて、[[軸索]]は発生期に[[細胞体]]からの突起として出現するという仮説を提唱した。これは、分裂した細胞が鎖状につながることによって軸索を形成するという説とともに論議をよんだ。Hisの仮説は、後年の[[wikipedia:JA:サンティアゴ・ラモン・イ・カハール|Cajal]]らの組織学的解析によって支持されていたが、より直接的に証明する必要があった。そのため、アメリカのHarrisonらはニューロンの突起伸長を’生きたまま’観察するための方法を考案した。それは、カエル胚から採取した[[神経管]]をカエルの[[wikipedia:JA:リンパ液|リンパ液]]中で培養する方法である。この方法によりニューロンの突起伸長を経時的に観察することが可能となり、軸索は細胞体からの突起が伸長することによって形成されることを直接的に証明した<ref><pubmed> 13711840 </pubmed></ref>。このことが、いわゆる組織培養(広義の初代培養)の始めであるとされている。後年、[[wikipedia:JA:レナート・ドゥルベッコ|ダルベッコ]]らによって開発された[[wikipedia:JA:トリプシン|トリプシン]]を用いて組織を解離し、単一細胞として培養する方法、また、[[wikipedia:JA:培地|培地]]や添加剤の改良などを経て、現在の神経系初代培養技術が確立した。<br>  
 19世紀中頃に、[[wikipedia:Wilhelm His, Sr.|Wilhelm His]]はニューロンの軸索がどのように形成されるのかについて、[[軸索]]は発生期に[[細胞体]]からの突起として出現するという仮説を提唱した。これは、分裂した細胞が鎖状につながることによって軸索を形成するという説とともに論議をよんだ。Hisの仮説は、後年の[[wikipedia:JA:サンティアゴ・ラモン・イ・カハール|Cajal]]らの組織学的解析によって支持されていたが、より直接的に証明する必要があった。そのため、アメリカのHarrisonらはニューロンの突起伸長を’生きたまま’観察するための方法を考案した。それは、カエル胚から採取した[[神経管]]をカエルの[[wikipedia:JA:リンパ液|リンパ液]]中で培養する方法である。この方法によりニューロンの突起伸長を経時的に観察することが可能となり、軸索は細胞体からの突起が伸長することによって形成されることを直接的に証明した<ref><pubmed> 13711840 </pubmed></ref>。このことが、いわゆる組織培養(広義の初代培養)の始めであるとされている。後年、[[wikipedia:JA:レナート・ドゥルベッコ|ダルベッコ]]らによって開発された[[wikipedia:JA:トリプシン|トリプシン]]を用いて組織を解離し、単一細胞として培養する方法、また、[[wikipedia:JA:培地|培地]]や添加剤の改良などを経て、現在の神経系初代培養技術が確立した。<br>  
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