「反応時間」の版間の差分

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===Hick-Hymanの法則===
===Hick-Hymanの法則===


選択反応時間は、選択肢数が多いほど長い
選択反応時間 <math>RT</math> は、選択肢数 <math>n</math> が多いほど長い。Hick
<ref name=Hick1952>
<ref name=Hick1952>
'''W E Hick'''<br>
'''W E Hick'''<br>
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''Q J Exp Psychol'': 1952, 4;11-26
''Q J Exp Psychol'': 1952, 4;11-26
</ref>
</ref>
。また、選択肢数が同じでも、出現確率の低い刺激に対する反応は遅い
はこの関係が
 
<math>RT = K \log \left( n+1 \right)</math>
 
と表せることを発見した。これをHickの法則という。底に2をとれば
<ref>
Hick-Hymanの法則では、情報量という観点から底に2をとることが多い。
</ref>
、<math>K</math> は単純反応時間に相当する。なお、
 
<math>RT = a + b \log \left( n \right)</math>
 
という式でも同様によく記述できる。
この場合、 <math>a</math> が単純反応時間に相当し、<math>b</math> は実験条件等によって決まるパラメータである。
 
さて、選択肢数が同じでも、出現確率の低い刺激に対する反応は遅い。
この現象は、反応時間が刺激の情報量に比例すると解釈されている。
Hyman
<ref name=Hyman1953><pubmed>13052851</pubmed></ref>
<ref name=Hyman1953><pubmed>13052851</pubmed></ref>
<ref name=MillerPachella1973>
<ref name=MillerPachella1973>
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''J Exp Psychol'': 1973, 101; 227-231
''J Exp Psychol'': 1973, 101; 227-231
</ref>
</ref>
は、出現確率 <math>p</math> の刺激に対する選択反応時間 <math>RT</math> は次式でよく記述できる
これらの現象は、反応時間が刺激の情報量に比例すると解釈されている。
ことを示した。
出現確率 <math>p</math> の刺激に対する選択反応時間 <math>RT</math> は次式でよく記述できる
( <math>a, b</math> はその他の実験条件等によって決まるパラメータ)。


<math>RT = a + b \log \left( \frac{1}{p} \right)</math>
<math>RT = a + b \log \left( \frac{1}{p} \right)</math>


これをHick-Hymanの法則と言う。処理すべき情報量が多いほど反応に時間がかかるのである。
これをHick-Hymanの法則と言う。処理すべき情報量が多いほど反応に時間がかかるのである。
選択肢数が <math>n</math> で全選択肢が等確率ならば、 <math>p = 1/n</math> なので <math>RT</math> は <math>n</math> の対数に比例することがわかる。
Hickの法則は、このうち全選択肢が等確率( <math>1/n</math> )のケースに相当する。


===先行期間(foreperiod, FP)===
===先行期間(foreperiod, FP)===
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