「外傷後ストレス障害」の版間の差分

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&nbsp;&nbsp;&nbsp; PTSDには[[抑うつ]]、[[不安障害]]、[[物質関連障害]]など精神疾患の合併が多いことが知られている。kesslerの調査<ref><pubmed>7492257</ref>では男性の88%、女性の79%に精神障害が合併していた。男性ではアルコール関連疾患52%、うつ病48%、行為障害43%、薬物依存35%、恐怖症31%であり、女性ではうつ病49%、アルコール関連疾患30%、薬物依存27、恐怖症29%、行為障害15%だったとしている。 近年、Prigersonらが診断基準を提唱した複雑性悲嘆との合併についての報告が散見される。  
&nbsp;&nbsp;&nbsp; PTSDには[[抑うつ]]、[[不安障害]]、[[物質関連障害]]など精神疾患の合併が多いことが知られている。kesslerの調査<ref><pubmed>7492257</ref>では男性の88%、女性の79%に精神障害が合併していた。男性ではアルコール関連疾患52%、うつ病48%、行為障害43%、薬物依存35%、恐怖症31%であり、女性ではうつ病49%、アルコール関連疾患30%、薬物依存27、恐怖症29%、行為障害15%だったとしている。 近年、Prigersonらが診断基準を提唱した複雑性悲嘆との合併についての報告が散見される。  


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=== &nbsp;&nbsp;神経心理的知見  ===
=== &nbsp;&nbsp;神経心理的知見  ===
<pre>===神経心理的知見===</pre>  
<pre>===神経心理的知見===</pre>  
 PTSDの再体験、過覚醒症状は トラウマ体験に対する[[恐怖条件づけ]]とみなすと理解しやすく、暴露療法が有効であることも恐怖条件づけの消去現象と考えると理解しやすい。恐怖条件づけを司る扁桃体は解剖学的に内側前頭前野と連絡していること、内側前頭前野の破壊が恐怖の消去を阻害することを示した動物実験など神経心理学的な研究が扁桃体、 内側前頭前野の関与がを含んだ神経回路モデルが提案されている。神経回路モデルは扁桃体、内側前頭前野、、海馬が<br>この理論的モデルを神経回路、脳機能画像からも支持する報告がなされている。
 PTSDの再体験、過覚醒症状は トラウマ体験に対する[[恐怖条件づけ]]とみなすと理解しやすく、暴露療法が有効であることも恐怖条件づけの消去現象と考えると理解しやすい。恐怖条件づけを司る扁桃体と内側前頭前野との連絡についての解剖学的知見や内側前頭前野の破壊が恐怖の消去を阻害することを示した動物実験からの知見が集積され、現在は扁桃体、内側前頭前野、海馬などを含んだ神経回路モデルが想定されている。(図挿入:「PTSDとは何か」から 許可申請必要?)&nbsp;。神経回路モデルは形態学的な研究も行われており、扁桃体、内側前頭前野の一部である前帯状皮質と海馬がPTSD患者で体積が減少していたとする報告がある。<br>  


 
 


同部位はPTSDの病態メカニズムの一部を担っているとされる。(図挿入:「PTSDとは何か」から 許可申請必要?)
  その他、PTSDがストレス反応であるとの視点からストレス系ホルモンについての研究がなされている。24時間血漿コルチゾール値で夜間と早朝のベースラインレベルがうつ病患者や健常対照群と比較して有意に低く、視床下部-下垂体-副腎皮質系機能(hypothalamic-pituitary-adrenal:HPA系)の調節異常が示唆されている。また、デキサメタゾン試験によるコルチゾール分泌の過剰抑制、リンパ球グルココルチコイド受容体の数の増加と感受性亢進と視床下部におけるコルチコトロピン放出因子の分泌亢進が示唆されている。<br>→


 脳画像研究において、扁桃体は  が示されている(脳血流の論文を)。 <br>
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 MRIによる形態学的な研究では健常対照群と比較してPTSD群では海馬、左扁桃体、前帯状皮質が小さいことが示されている(論文読み必要)。
 
 過覚醒症状と関連して、ノルアドレナリン系機構の反応性の亢進について報告がある。24時間血漿コルチゾール値で夜間と早朝のベースラインレベルがうつ病患者や健常対照群と比較して有意に低く、視床下部-下垂体-副腎皮質系機能の調節異常が示唆されている。また、デキサメタゾン試験によるコルチゾール分泌の過剰抑制、リンパ球グルココルチコイド受容体の数の増加と感受性亢進と視床下部におけるコルチコトロピン放出因子の分泌亢進が示唆されている。(PTSDとは何か?(6))
 
 中枢でのノルアドレナリンレベルの上昇とアドレナリン受容体のダウンレギュレーションが示されている。
 
 
 
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=== 遺伝子研究  ===
=== 遺伝子研究  ===
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