「強迫症」の版間の差分

104行目: 104行目:


==治療  ==
==治療  ==
===概要  ===


[[Image:強迫性障害 図4.jpg|thumb|350px|'''図4.アメリカ精神医学会によるOCD治療ガイドライン'''<br>「中等度の反応」とは臨床的に有意ではあるが不十分な反応を意味する<br>*エビデンスには裏付けされていない治療(例:一つか少数の試験や症例報告、または統制されていないケースシリーズ)<br>CBT:認知行動療法、[[DBS]]:[[深部脳刺激療法]]、[[ERP]]:[[暴露反応妨害法]]、[[MAOI]]:[[モノアミン酸化酵素阻害薬]]、[[SRI]]:[[セロトニン再取り込み阻害薬]]、SSRIR:選択的セロトニン再取り込み阻害薬、[[TMS]]:[[経頭蓋磁気刺激療法]] ]]  
[[Image:強迫性障害 図4.jpg|thumb|350px|'''図4.アメリカ精神医学会によるOCD治療ガイドライン'''<br>「中等度の反応」とは臨床的に有意ではあるが不十分な反応を意味する<br>*エビデンスには裏付けされていない治療(例:一つか少数の試験や症例報告、または統制されていないケースシリーズ)<br>CBT:認知行動療法、[[DBS]]:[[深部脳刺激療法]]、[[ERP]]:[[暴露反応妨害法]]、[[MAOI]]:[[モノアミン酸化酵素阻害薬]]、[[SRI]]:[[セロトニン再取り込み阻害薬]]、SSRIR:選択的セロトニン再取り込み阻害薬、[[TMS]]:[[経頭蓋磁気刺激療法]] ]]  
115行目: 113行目:
 OCDの治療反応性評価には、[[Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale]] ([[Y-BOCS]])<ref name="ref31"><pubmed>2684084</pubmed></ref> <ref name="ref32"><pubmed>2510699</pubmed></ref>総得点の改善率を用いることが一般的である。これは、症状評価リストで特定した主要な強迫観念、及び行為について、症状に占められる時間や社会的障害度など10項目を0-4点の5段階で評価、合計し総得点(40点満点)を決定する。  
 OCDの治療反応性評価には、[[Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale]] ([[Y-BOCS]])<ref name="ref31"><pubmed>2684084</pubmed></ref> <ref name="ref32"><pubmed>2510699</pubmed></ref>総得点の改善率を用いることが一般的である。これは、症状評価リストで特定した主要な強迫観念、及び行為について、症状に占められる時間や社会的障害度など10項目を0-4点の5段階で評価、合計し総得点(40点満点)を決定する。  


 OCD患者の治療反応性評価基準は、未だ確定的なものはないが、通常はY-BOCS総得点で35%以上の改善を認めれば有効と判定される<ref name="ref12" />。そして一旦奏功しても、中断すれば再発する可能性が高く、最低3-6ヶ月、通常は1-2年継続すること、中断する場合は、1-2ヶ月で10-25%のペースで漸減すること、そして再発予防にCBTの併用が推奨されている<ref name="ref12" />。  
 OCD患者の治療反応性評価基準は、未だ確定的なものはないが、通常はY-BOCS総得点で35%以上の改善を認めれば有効と判定される<ref name="ref12" />。そして一旦奏功しても、中断すれば再発する可能性が高く、最低3-6ヶ月、通常は1-2年継続すること、中断する場合は、1-2ヶ月で10-25%のペースで漸減すること、そして再発予防にCBTの併用が推奨されている<ref name="ref12" />。


=== 薬物療法  ===
=== 薬物療法  ===