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サイズ変更なし 、 2020年1月28日 (火)
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===チロシンキナーゼAbelsonを介したシグナル伝達===
===チロシンキナーゼAbelsonを介したシグナル伝達===


 ニワトリの[[網膜]]神経細胞を用いた実験では、Roboによる[[β-カテニン]]を介した1) [[カドへリン]]接着性の減少、2) 転写持続、を担う経路が知られている<ref><pubmed> 12360290</pubmed></ref> <ref><pubmed>17618275</pubmed></ref>。この系ではRoboへのSlitの結合により、[[Cables]]が[[Abelson]] ([[Abl]])に結合して、その後、Cablesは[[p35]]を介してβ-カテニンに結合していた[[Cdk5]](N-カドへリン-β-カテニン-p35-Cdk5複合体)と結合し、さらにβ-カテニンと結合する。この複合体では、Ablによるβ-カテニンの[[チロシンリン酸化]]によりβ-カテニン- N-カドへリンの親和性が低下し、N-カドへリンを介した接着性が消失する。[[リン酸化]]されたβ-カテニンは[[核]]内へと移行し、[[転写因子]][[Tcf]]/[[Lef]]と結合することで、転写を活性化する(図2 2-A)。
 ニワトリの[[網膜]]神経細胞を用いた実験では、Roboによる[[β-カテニン]]を介した1) [[カドヘリン]]接着性の減少、2) 転写持続、を担う経路が知られている<ref><pubmed> 12360290</pubmed></ref> <ref><pubmed>17618275</pubmed></ref>。この系ではRoboへのSlitの結合により、[[Cables]]が[[Abelson]] ([[Abl]])に結合して、その後、Cablesは[[p35]]を介してβ-カテニンに結合していた[[Cdk5]](N-カドへリン-β-カテニン-p35-Cdk5複合体)と結合し、さらにβ-カテニンと結合する。この複合体では、Ablによるβ-カテニンの[[チロシンリン酸化]]によりβ-カテニン- N-カドへリンの親和性が低下し、N-カドへリンを介した接着性が消失する。[[リン酸化]]されたβ-カテニンは[[核]]内へと移行し、[[転写因子]][[Tcf]]/[[Lef]]と結合することで、転写を活性化する(図2 2-A)。


 一方ショウジョウバエでは、Roboの細胞内領域のCC3モチーフにAblが結合することでRoboをリン酸化し、Robo下流シグナルを阻害する経路も知られている。Ablの基質である[[Ena]]はRoboの細胞内領域のCC1,CC2に結合し、[[キャッピングタンパク質]]のF-[[アクチン]]への結合を調節することで細胞移動や反発性軸索誘導の一部を担うことが知られており、両者が相補的な役割を果たすことで反発性の軸索誘導を調節する<ref><pubmed>10892742</pubmed></ref> <ref><pubmed>12086607</pubmed></ref>(図2 2-B)。
 一方ショウジョウバエでは、Roboの細胞内領域のCC3モチーフにAblが結合することでRoboをリン酸化し、Robo下流シグナルを阻害する経路も知られている。Ablの基質である[[Ena]]はRoboの細胞内領域のCC1,CC2に結合し、[[キャッピングタンパク質]]のF-[[アクチン]]への結合を調節することで細胞移動や反発性軸索誘導の一部を担うことが知られており、両者が相補的な役割を果たすことで反発性の軸索誘導を調節する<ref><pubmed>10892742</pubmed></ref> <ref><pubmed>12086607</pubmed></ref>(図2 2-B)。