「磁気共鳴画像法」の版間の差分

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==== 横緩和(''T<sub>2</sub>''緩和) ====
==== 横緩和(''T<sub>2</sub>''緩和) ====
 励起後の巨視的磁化の横磁化成分の消失(''T<sub>2</sub>''緩和)はスピンースピン緩和とも呼ばれ、原子核スピン集団のコヒーレンス(位相同期)の消失(即ち位相分散)による。個々の原子核スピンが「感じる」静磁場はわずかながらランダムに変動しており、結果として時間の経過とともにスピン集団のコヒーレンスが失われてゆく(ある原子核スピンは位相が早くなり、別の原子核スピンは位相が遅くなる)。この際の横磁化の時間変化は、巨視的磁化ベクトル<math>M</math>の、ある時間<math>t</math>における静磁場方向に直交する成分を<math>M_{xy}(t)</math>とおくと<math>M_{xy}(t)=M_{xy}(0)e^\frac{-t/T_2}</math>で減衰する。T_2はこの減衰の早さを決める時定数である。
 励起後の巨視的磁化の横磁化成分の消失(<math>T_2</math>緩和)はスピンースピン緩和とも呼ばれ、原子核スピン集団のコヒーレンス(位相同期)の消失(即ち位相分散)による。個々の原子核スピンが「感じる」静磁場はわずかながらランダムに変動しており、結果として時間の経過とともにスピン集団のコヒーレンスが失われてゆく(ある原子核スピンは位相が早くなり、別の原子核スピンは位相が遅くなる)。この際の横磁化の時間変化は、巨視的磁化ベクトル<math>M</math>の、ある時間<math>t</math>における静磁場方向に直交する成分を<math>M_{xy}(t)</math>とおくと<math>M_{xy}(t)=M_{xy}(0)e^{-t/T_2}</math>で減衰する。<math>T_2</math>はこの減衰の早さを決める時定数である。


==== ''T<sub>2</sub><sup>*</sup>''緩和 ====
==== ''T<sub>2</sub><sup>*</sup>''緩和 ====