「麻薬」の版間の差分

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 オピオイド受容体遺伝子のクロ−ニングは他の受容体と比べて遅く、1992年になってEvansらとKiefferらのグループがそれぞれ、372個のアミノ酸から成るδ受容体のクロ−ニングに成功した<ref name="ref7"><pubmed>1335167</pubmed></ref> <ref name="ref8"><pubmed>1334555</pubmed></ref>。δ受容体のクロ−ニング後、[[wikipedia:ja:PCR|PCR]] 法によるホモロジ−を利用した研究によってμおよびκ受容体のクロ−ニングの成功が相次いで報告された。μおよびκ受容体は、それぞれ398個と380個のアミノ酸から構成されている。明らかにされたμ-、δ-およびκ-オピオイド受容体間のアミノ酸配列の相同性は全体として約60%と高く、いずれも7回膜貫通型の[[Gタンパク質共役型受容体]]である。また、現在までにμ受容体遺伝子においていくつかのオルターナティブスプライシングを受ける[[wikipedia:ja:エクソン|エクソン]]が同定されており、これらの組み合わせの違いから数種類のスプライスバリアントによるμ受容体サブタイプの存在が報告されている。  
 オピオイド受容体遺伝子のクロ−ニングは他の受容体と比べて遅く、1992年になってEvansらとKiefferらのグループがそれぞれ、372個のアミノ酸から成るδ受容体のクロ−ニングに成功した<ref name="ref7"><pubmed>1335167</pubmed></ref> <ref name="ref8"><pubmed>1334555</pubmed></ref>。δ受容体のクロ−ニング後、[[wikipedia:ja:PCR|PCR]] 法によるホモロジ−を利用した研究によってμおよびκ受容体のクロ−ニングの成功が相次いで報告された。μおよびκ受容体は、それぞれ398個と380個のアミノ酸から構成されている。明らかにされたμ-、δ-およびκ-オピオイド受容体間のアミノ酸配列の相同性は全体として約60%と高く、いずれも7回膜貫通型の[[Gタンパク質共役型受容体]]である。また、現在までにμ受容体遺伝子においていくつかのオルターナティブスプライシングを受ける[[wikipedia:ja:エクソン|エクソン]]が同定されており、これらの組み合わせの違いから数種類のスプライスバリアントによるμ受容体サブタイプの存在が報告されている。  


=== オピオイド ===
=== オピオイドの分類 ===


 Opium(オピウム)は日本語でアヘンのことであり、ケシの果実から抽出される。元来、鎮痛薬として使用されてきたが、19世紀に入るとその嗜好性、習慣性から医薬用外で大流行したため、鎮痛作用や鎮咳作用よりも「麻薬」という悪いイメージだけが残ってしまっている。  
 Opium(オピウム)は日本語でアヘンのことであり、ケシの果実から抽出される。元来、鎮痛薬として使用されてきたが、19世紀に入るとその嗜好性、習慣性から医薬用外で大流行したため、鎮痛作用や鎮咳作用よりも「麻薬」という悪いイメージだけが残ってしまっている。