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Yukihashimotodani (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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===ペプチド=== | ===ペプチド=== | ||
オピオイドの一種であるダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬歯状回の顆粒細胞において電位依存性カルシウムチャネルを介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される<ref name=ref21><pubmed> 7605635 </pubmed></ref>。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは貫通線維のシナプス前終末に存在するκオピオイド受容体を活性化し、グルタミン酸の放出を抑制する<ref><pubmed> 1345943 </pubmed></ref><ref><pubmed> 7911518 </pubmed></ref><ref name=ref21 /> | オピオイドの一種であるダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが知られている。ダイノルフィンは海馬歯状回の顆粒細胞において電位依存性カルシウムチャネルを介するカルシウムイオン流入によって小胞から分泌される<ref name=ref21><pubmed> 7605635 </pubmed></ref>。顆粒細胞の樹状突起から分泌されたダイノルフィンは貫通線維のシナプス前終末に存在するκオピオイド受容体を活性化し、グルタミン酸の放出を抑制する<ref><pubmed> 1345943 </pubmed></ref><ref><pubmed> 7911518 </pubmed></ref><ref name=ref21 />。最近、視床下部でもダイノルフィンが逆行性伝達物質として働くことが報告された<ref><pubmed> 19494156 </pubmed></ref><ref><pubmed> 22279215 </pubmed></ref>。 | ||
ダイノルフィンの他にも様々なペプチドが樹状突起から分泌されることが知られているが<ref><pubmed> 12744842 </pubmed></ref>、それが逆行性にシナプス伝達を調節するかどうかは定かでない。 | |||
===古典的神経伝達物質=== | ===古典的神経伝達物質=== | ||
グルタミン酸やGABAといった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている | グルタミン酸やGABAといった神経伝達物質が特定のシナプスでは逆行性伝達物質として働く可能性が報告されている<ref name=ref30><pubmed> 16061520 </pubmed></ref><ref><pubmed> 19375301 </pubmed></ref>。大脳皮質では興奮性シナプスや抑制性シナプスにおいてグルタミン酸やGABAによる逆行性シナプス伝達が起こることが報告されている<ref name=ref30 />。小脳ではグルタミン酸<ref><pubmed> 15097992 </pubmed></ref>が脳幹ではGABAが<ref><pubmed> 18614034 </pubmed></ref>逆行性伝達物質として働くことが報告されている。特殊なシナプスとして嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞間のdendro-dendritic結合でGABAによる逆行性伝達がみられる<ref><pubmed> 9581766 </pubmed></ref>。 | ||
セロトニンやドーパミンも樹状突起から放出されることが知られているが、逆行性伝達物質として働きシナプス伝達を制御しうるかどうかはまだ定かでない。 | |||
==エンドカンナビノイドによる逆行性伝達== | ==エンドカンナビノイドによる逆行性伝達== |
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