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==活性調節== | ==活性調節== | ||
===Aktによるリン酸化による調節=== | |||
GSK-3βは、細胞が静止状態にあるときには活性型である。細胞が[[インスリン]]などの物質で処理をされると、GSK-3βは[[ホスファチジルイノシトール#ホスファチジルイノシトール3キナーゼとPI3キナーゼシグナル伝達経路|ホスファチジルイノシトール‐3キナーゼ]](PI-3K)の関与で不活化される。つまり、インスリンなどで処理された細胞の内部ではPI-3K-[[Akt]]経路が活性化し、その結果GSK-3βの[[wikipedia:ja:セリン|セリン]]9のリン酸化が起こり不活性型となる<ref name=ref4><pubmed>11440715</pubmed></ref>。 | GSK-3βは、細胞が静止状態にあるときには活性型である。細胞が[[インスリン]]などの物質で処理をされると、GSK-3βは[[ホスファチジルイノシトール#ホスファチジルイノシトール3キナーゼとPI3キナーゼシグナル伝達経路|ホスファチジルイノシトール‐3キナーゼ]](PI-3K)の関与で不活化される。つまり、インスリンなどで処理された細胞の内部ではPI-3K-[[Akt]]経路が活性化し、その結果GSK-3βの[[wikipedia:ja:セリン|セリン]]9のリン酸化が起こり不活性型となる<ref name=ref4><pubmed>11440715</pubmed></ref>。 | ||
===基質のプライミングリン酸化による調節=== | |||
GSK-3βの基質は、本来のリン酸化部位のC末に位置する"priming"残基が先にリン酸化(priming phosphorylation)を受けている方が効率よくリン酸化できる。GSK-3βのactivation loop (T-loop)に位置する[[wikipedia:ja:スレオニン|スレオニン]]216のリン酸化により基質結合部位が開き、[[wikipedia:ja:アルギニン|アルギニン]]96, アルギニン180, [[wikipedia:ja:リシン|リシン]]205からなるpositively charged pocketにリン酸化された基質の"priming"残基が結合する。この結合によってキナーゼドメインの方向が最適化され、基質がGSK-3βのcatalytic grooveの適切な位置にはまりリン酸化をうける<ref name=ref4 /> 。 | GSK-3βの基質は、本来のリン酸化部位のC末に位置する"priming"残基が先にリン酸化(priming phosphorylation)を受けている方が効率よくリン酸化できる。GSK-3βのactivation loop (T-loop)に位置する[[wikipedia:ja:スレオニン|スレオニン]]216のリン酸化により基質結合部位が開き、[[wikipedia:ja:アルギニン|アルギニン]]96, アルギニン180, [[wikipedia:ja:リシン|リシン]]205からなるpositively charged pocketにリン酸化された基質の"priming"残基が結合する。この結合によってキナーゼドメインの方向が最適化され、基質がGSK-3βのcatalytic grooveの適切な位置にはまりリン酸化をうける<ref name=ref4 /> 。 | ||
==機能== | ==機能== |