「低親和性神経成長因子受容体」の版間の差分

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=== 動物モデル  ===
=== 動物モデル  ===


 Leeらは[[ジーンターゲッティング]]によりp75のexon3を欠損したマウスを作成した <ref><pubmed> 1317267 </pubmed></ref>。このマウスでは、全長のp75の発現は欠損しているが、p75の細胞外ドメインを欠いたshort isoform (s-p75)の発現が残っている。s-p75はNGFと結合しないが、TrkAと結合しうる。表現型として、生存率や繁殖に異常は認められないが、[[wikipedia:ja:潰瘍|潰瘍]]などの皮膚の障害を生じることが知られている。また、[[カルシトニン遺伝子関連ペプチド]]や[[サブスタンスP]]を発現する末梢性感覚神経の障害を伴い、熱刺激に対する反応性が弱いことが報告されている。
 Leeらは[[ジーンターゲッティング]]によりp75のexon3を欠損したマウスを作成した <ref><pubmed> 1317267 </pubmed></ref>。このマウスでは、全長のp75の発現は欠損しているが、p75の細胞外ドメインを欠いたshort isoform (s-p75)の発現が残っている。s-p75はNGFと結合しないが、TrkAと結合しうる。表現型として、生存率や繁殖に異常は認められないが、[[wikipedia:ja:潰瘍|潰瘍]]などの皮膚の障害を生じることが知られている。また、[[カルシトニン遺伝子関連ペプチド]]や[[サブスタンスP]]を発現する末梢性感覚神経の障害を伴い、熱刺激に対する反応性が弱いことが報告されている。(編集 コメント:このマウスは前の節でも触れられているものでしょか?でしたら記述をまとめてはと思います)


 一方、von Schackらは、p75のexon4を欠損したマウスを作成した <ref><pubmed> 11559852 </pubmed></ref>。このマウスは、当初s-p75とFL-p75両方を欠損したものと考えられていたが、後に細胞膜貫通領域と細胞内ドメインを含む遺伝子産物が残存していることが判明した。この断片化されたタンパク質は、アポトーシスを誘導することが後に示された。それ故、exon4欠損マウスでは、血管障害などの原因で約40%のマウスが死亡する。また、これ以前にもp75の細胞内ドメインを発現するトランスジェニックマウスでは、交感神経や末梢感覚神経の細胞数の減少が認められている。これは、Trkの不活性化ではなく、p75の細胞内ドメイン自体が細胞死誘導経路の活性化因子として働くためと考えられている。
 一方、von Schackらは、p75のexon4を欠損したマウスを作成した <ref><pubmed> 11559852 </pubmed></ref>。このマウスは、当初s-p75とFL-p75両方を欠損したものと考えられていたが、後に細胞膜貫通領域と細胞内ドメインを含む遺伝子産物が残存していることが判明した。この断片化されたタンパク質は、アポトーシスを誘導することが後に示された。それ故、exon4欠損マウスでは、血管障害などの原因で約40%のマウスが死亡する。また、これ以前にもp75の細胞内ドメインを発現するトランスジェニックマウスでは、交感神経や末梢感覚神経の細胞数の減少が認められている。これは、Trkの不活性化ではなく、p75の細胞内ドメイン自体が細胞死誘導経路の活性化因子として働くためと考えられている。

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