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Atsushinambu (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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化学式:1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine <br> | 化学式:1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine <br> | ||
MPTP(図1)とは、ドーパミン作動性ニューロンを変性脱落させる神経毒。実験動物に投与し、パーキンソン病モデルを作成するために用いられる。<br> | |||
[[Image:MPTP Fig1.jpg|thumb|right|100px|図1 MPTP]] | [[Image:MPTP Fig1.jpg|thumb|right|100px|図1 MPTP]] | ||
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==作用機序== | ==作用機序== | ||
MPTPが脳内に入ると、グリア内でモノアミン酸化酵素B(MAO-B)によって酸化されMPP<sup>+</sup> | MPTPが脳内に入ると、グリア内でモノアミン酸化酵素B(MAO-B)によって酸化されMPP<sup>+</sup>になり、これがドーパミン作動性ニューロンに取り込まれ、ミトコンドリアの代謝を阻害するため、細胞が変性すると考えられる(図2)。<br> | ||
[[Image:MPTP Fig2.jpg|thumb|right|300px|図2 MPTPの代謝]] | [[Image:MPTP Fig2.jpg|thumb|right|300px|図2 MPTPの代謝]] | ||
==意義== | ==意義== | ||
このMPTPの「発見」により、ドーパミン作動性ニューロンが変性・脱落するメカニズムの解明が進んだ。また、主に霊長類にMPTPを投与しパーキンソン病モデルを作成することにより、パーキンソン病の病態の解明<ref name=ref4><pubmed>1695404</pubmed></ref> | このMPTPの「発見」により、ドーパミン作動性ニューロンが変性・脱落するメカニズムの解明が進んだ。また、主に霊長類にMPTPを投与しパーキンソン病モデルを作成することにより、パーキンソン病の病態の解明<ref name=ref4><pubmed>1695404</pubmed></ref>、定位脳手術や脳深部刺激療法(DBS)などの治療法の開発<ref><pubmed>2402638</pubmed></ref>などにつながった。さらには、パーキンソン病の原因として、内在性・外来性のMPTP類似物質、例えば除草剤などによる原因説も復興した。<br> | ||
==毒性== | ==毒性== |
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