「抑制性アミノ酸」の版間の差分

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 抑制性伝達物質としてグリシンが機能するためには、シナプス前神経終末部の[[シナプス小胞]]にグリシンが取り込まれて、神経終末部から放出される必要がある。グリシンを放出する抑制性シナプス前神経終末部には、[[グリシントランスポーター2型]]([[GlyT2]])が発現しており、これによってグリシンが神経終末部内へ取り込まれることにより、グリシン濃度が高まる。神経終末部に取り込まれたグリシンは、[[小胞型抑制性アミノ酸運搬体]]([[VIAAT]]、[[VGAT]]とも呼ばれる)によりシナプス小胞内へ充填され、神経終末部から放出される。小胞型抑制性アミノ酸運搬体はグリシンだけでなくGABAも輸送するので、単一神経終末部から GABAとグリシンが共放出(co-release)されることがある。
 抑制性伝達物質としてグリシンが機能するためには、シナプス前神経終末部の[[シナプス小胞]]にグリシンが取り込まれて、神経終末部から放出される必要がある。グリシンを放出する抑制性シナプス前神経終末部には、[[グリシントランスポーター2型]]([[GlyT2]])が発現しており、これによってグリシンが神経終末部内へ取り込まれることにより、グリシン濃度が高まる。神経終末部に取り込まれたグリシンは、[[小胞型抑制性アミノ酸運搬体]]([[VIAAT]]、[[VGAT]]とも呼ばれる)によりシナプス小胞内へ充填され、神経終末部から放出される。小胞型抑制性アミノ酸運搬体はグリシンだけでなくGABAも輸送するので、単一神経終末部から GABAとグリシンが共放出(co-release)されることがある。


 グリシンは[[グリシン受容体]]に作用することで抑制性作用を示す。この作用は[[ストリキニーネ]]で拮抗される。NMDA型グルタミン酸受容体のグリシン結合部位はストリキニーネ感受性がない。グリシン受容体はGABA<sub>A</sub>受容体と同様Cl-を通すイオンチャネル型受容体で、αサブユニットとβサブユニットから成る五量体である。グリシン受容体は[[ゲフェリン]]という[[足場タンパク質]]によりシナプス部位に維持される。
 グリシンは[[グリシン受容体]]に作用することで抑制性作用を示す。この作用は[[ストリキニーネ]]で拮抗される。NMDA型グルタミン酸受容体のグリシン結合部位はストリキニーネ感受性がない。グリシン受容体はGABA<sub>A</sub>受容体と同様Clイオンを通すイオンチャネル型受容体で、αサブユニットとβサブユニットから成る五量体である。グリシン受容体は[[ゲフェリン]]という[[足場タンパク質]]によりシナプス部位に維持される。


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