「自閉スペクトラム症」の版間の差分

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 3歳より前の状態については、研究者が直接確かめることのできる情報が限られている。
 3歳より前の状態については、研究者が直接確かめることのできる情報が限られている。


 近年のホームビデオを用いた研究では、乳児期より呼名への反応などの社会的相互交渉が出現しにくいとの報告が多いが、それが広汎性発達障害に特異的な所見であるとは証明されていない。1歳半頃になると、他者と関心ごとを共有しようとする前言語的コミュニケーションである「[[合同注意]]」の欠如などによって早期発見が可能であることが示唆されている。2歳代までは限定され反復的で常同的な行動、興味、活動のパターンが十分には出現しないため、広汎性発達障害に特徴的な行動所見がすべて揃うのは3歳前後であることが多い。いったんは順調に獲得した発話などの機能が1歳代後半に消失する現象(「[[折れ線現象]]」「[[セットバック]]」「[[退行]]」などと呼ばれる)が、約2割の症例にみられる。
 ホームビデオを用いた研究では、乳児期より呼名への反応などの社会的相互交渉が出現しにくいとの報告が多い<ref><pubmed> 8050980 </pubmed></ref>。しかし、それが広汎性発達障害に特異的な所見であるとは証明されていない。1歳半頃になると、他者と関心ごとを共有しようとする前言語的コミュニケーションである「[[合同注意]]」の欠如などによって早期発見が可能であることが示唆されている<ref><pubmed> 10846303 </pubmed></ref>。2歳代までは限定され反復的で常同的な行動、興味、活動のパターンが十分には出現しないため、広汎性発達障害に特徴的な行動所見がすべて揃うのは3歳前後であることが多い。いったんは順調に獲得した発話などの機能が1歳代後半に消失する現象(「[[折れ線現象]]」「[[セットバック]]」「[[退行]]」などと呼ばれる)が、約2割の症例にみられる<ref><pubmed> 20711649 </pubmed></ref>。


 基本症状(社会的相互交渉の質的異常、コミュニケーションの質的異常、限定され反復的で常同的行動、興味、活動のパターン)が最も顕著となるのは4歳~6歳頃である。  
 基本症状(社会的相互交渉の質的異常、コミュニケーションの質的異常、限定され反復的で常同的行動、興味、活動のパターン)が最も顕著となるのは4歳~6歳頃である。  
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== 疫学  ==
== 疫学  ==


*発生率: ​自閉性障害が0.3~0.5%、広汎性発達障害全体で1%以上。
*発生率: ​自閉性障害が0.3~0.5%、広汎性発達障害全体で1%以上<ref><pubmed> 15877763 </pubmed></ref>。
*性比​男: 女=2~3:1、レット障害は女性のみ   
*性比​男: 女=2~3:1、レット障害は女性のみ   
*好発年齢: ​発達の異常に気づかれるのは乳幼児期  
*好発年齢: ​発達の異常に気づかれるのは乳幼児期  
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