「夢」の版間の差分

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ただし、近年の研究では、レム睡眠での夢見の報告率は先行研究と同様に80%程度であったが、ノンレム睡眠中でも60%程度で夢見の報告が得られるという報告がなされており<ref><pubmed>11515145</pubmed></ref>、夢はレム睡眠に特異的な現象ではないと考える研究者もいる。
ただし、近年の研究では、レム睡眠での夢見の報告率は先行研究と同様に80%程度であったが、ノンレム睡眠中でも60%程度で夢見の報告が得られるという報告がなされており<ref><pubmed>11515145</pubmed></ref>、夢はレム睡眠に特異的な現象ではないと考える研究者もいる。


このように、夢がレム睡眠に特的な現象かどうかについて議論が分かれるところであるが、レム睡眠中の夢とノンレム睡眠中の夢には質的に顕著な差が認められる。レム睡眠中に起こした被験者からの夢の報告はノンレム睡眠のものに比べて、内容が長く、鮮明で活発であり、情緒的な負荷が伴う。一方、ノンレム睡眠中の夢の報告は、思考的で現実的内容が含まれることが多い<ref name="ref1" />。すなわちレム睡眠とノンレム睡眠から覚醒させた場合の夢見の報告率の相違は、夢の定義の違いに起因している。  
このように、夢がレム睡眠に特異的な現象かどうかについて議論が分かれるところであるが、レム睡眠中の夢とノンレム睡眠中の夢には質的に顕著な差が認められる。レム睡眠中に起こした被験者からの夢の報告はノンレム睡眠のものに比べて、内容が長く、鮮明で活発であり、情緒的な負荷が伴う。一方、ノンレム睡眠中の夢の報告は、思考的で現実的内容が含まれることが多い<ref name="ref1" />。すなわちレム睡眠とノンレム睡眠から覚醒させた場合の夢見の報告率の相違は、夢の定義の違いに起因している。  


上記の夢の定義のうち、(2) 物語風の構造、(3) 断続的で不調和、不安定な奇異的知覚特性、(4) 強烈な情動性などを夢の必要条件とした場合はノンレム睡眠からの夢の報告率は低くなる。一方、夢を「被験者が睡眠中に生じたとみなす精神活動」と広義にとらえれば、ノンレム睡眠からの夢の報告率は高くなる。われわれが一般に「夢を見た」と言う場合の夢は、主にレム睡眠中に見ている夢である。  
上記の夢の定義のうち、(2) 物語風の構造、(3) 断続的で不調和、不安定な奇異的知覚特性、(4) 強烈な情動性などを夢の必要条件とした場合はノンレム睡眠からの夢の報告率は低くなる。一方、夢を「被験者が睡眠中に生じたとみなす精神活動」と広義にとらえれば、ノンレム睡眠からの夢の報告率は高くなる。われわれが一般に「夢を見た」と言う場合の夢は、主にレム睡眠中に見ている夢である。  
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