「RNA干渉」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
26行目: 26行目:


 PIWI interacting RNA(piRNA)とよばれる内在性小分子RNAがある。これは生殖組織特異的に発現する小分子RNAで、やはり生殖組織特異的に発現するArgonauteタンパク質群(これをPIWIタンパク質と称する)と特異的に結合することによってpiRISCを形成する。piRNAの多くはpiRNAクラスターとよばれる遺伝子間領域から発現する一本鎖非コードRNAを前駆体とし、Dicer非依存的に発現する。piRNAはトランスポゾンに対してアンチセンスである場合が多く、それらはトランスポゾンの発現抑制に関わる。トランスポゾンはゲノム損傷の原因となるため、次世代にゲノム情報を伝搬する生殖組織はこれを抑える独自の仕組みを獲得したと考えられる。細胞質局在型piRISCは、標的RNA(トランスポゾン転写産物)を切断することによってその発現を抑制するが、核局在型piRISCは転写レベルでトランスポゾンを抑制すると考えられている。piRNA生合成およびpiRISCによる転写レベルでのトランスポゾン発現抑制の分子メカニズムは未だ不明な点を多く残す。
 PIWI interacting RNA(piRNA)とよばれる内在性小分子RNAがある。これは生殖組織特異的に発現する小分子RNAで、やはり生殖組織特異的に発現するArgonauteタンパク質群(これをPIWIタンパク質と称する)と特異的に結合することによってpiRISCを形成する。piRNAの多くはpiRNAクラスターとよばれる遺伝子間領域から発現する一本鎖非コードRNAを前駆体とし、Dicer非依存的に発現する。piRNAはトランスポゾンに対してアンチセンスである場合が多く、それらはトランスポゾンの発現抑制に関わる。トランスポゾンはゲノム損傷の原因となるため、次世代にゲノム情報を伝搬する生殖組織はこれを抑える独自の仕組みを獲得したと考えられる。細胞質局在型piRISCは、標的RNA(トランスポゾン転写産物)を切断することによってその発現を抑制するが、核局在型piRISCは転写レベルでトランスポゾンを抑制すると考えられている。piRNA生合成およびpiRISCによる転写レベルでのトランスポゾン発現抑制の分子メカニズムは未だ不明な点を多く残す。
==外来小分子RNAによるもの==
 (shRNAによる遺伝子発現制御について御記述いただけないでしょうか。)


==関連項目==
==関連項目==

案内メニュー