「行動テストバッテリー」の版間の差分

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===行動テストバッテリーの構成===
===行動テストバッテリーの構成===
 行動テストバッテリーを構成する際には、テストの順番とテスト間の間隔についても注意する必要がある。最初に行うテストを除き、全てのテストにおいてマウスは先行して経験した実験の影響を受けるので、全ての被験体について同じ順番でテストを実施するのが望ましい。行動テストバッテリーに含まれる各種テストは、被験体に与えるストレスが低いと考えられるテストから始め、徐々にストレスレベルが高いと考えられるテストを受けるような順番で構成されている。特に恐怖条件づけテスト(項目3.5.4 参照)のように電気ショックを与えるものは、その後の行動に影響を与える可能性が高く、テストバッテリーの中では終盤に実施するのが一般的である<ref name=ref7 />。行動テストバッテリーにおけるテスト間の間隔については、Paylor らがバッテリー内のテスト間隔を1週間にした場合と1-2日にした場合とを比較した研究を発表している<ref name=ref42><pubmed>16197969</pubmed></ref>。この研究によるとテストの間隔が1-2日あれば1週間の間隔を空けた場合と比較して行動テストの結果に大きな違いは見られなかった<ref name=ref42 />。この知見に基づき、Crawleyらの研究室をはじめ、藤田保健衛生大学、生理学研究所などでも行動テストバッテリーを実施する場合は、テスト間の間隔は1日以上空けることとしている。
 行動テストバッテリーを構成する際には、テストの順番とテスト間の間隔についても注意する必要がある。最初に行うテストを除き、全てのテストにおいてマウスは先行して経験した実験の影響を受けるので、全ての被験体について同じ順番でテストを実施するのが望ましい。行動テストバッテリーに含まれる各種テストは、被験体に与えるストレスが低いと考えられるテストから始め、徐々にストレスレベルが高いと考えられるテストを受けるような順番で構成されている。特に恐怖条件づけテストのように電気ショックを与えるものは、その後の行動に影響を与える可能性が高く、テストバッテリーの中では終盤に実施するのが一般的である<ref name=ref7 />。行動テストバッテリーにおけるテスト間の間隔については、Paylor らがバッテリー内のテスト間隔を1週間にした場合と1-2日にした場合とを比較した研究を発表している<ref name=ref42><pubmed>16197969</pubmed></ref>。この研究によるとテストの間隔が1-2日あれば1週間の間隔を空けた場合と比較して行動テストの結果に大きな違いは見られなかった<ref name=ref42 />。この知見に基づき、Crawleyらの研究室をはじめ、藤田保健衛生大学、生理学研究所などでも行動テストバッテリーを実施する場合は、テスト間の間隔は1日以上空けることとしている。


===実験環境===
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