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[[image:Chemical Synapse.jpg|thumb|350px|'''図3.化学シナプスにおける情報伝達'''<br>(1-6) シナプス前終末で神経伝達物質が開口放出される。<br>(7-12) 伝達物質はシナプス後部において様々な機序で情報伝達を行う。<br>詳細は本文、または他の項目を参照のこと。]] | [[image:Chemical Synapse.jpg|thumb|350px|'''図3.化学シナプスにおける情報伝達'''<br>(1-6) シナプス前終末で神経伝達物質が開口放出される。<br>(7-12) 伝達物質はシナプス後部において様々な機序で情報伝達を行う。<br>詳細は本文、または他の項目を参照のこと。]] | ||
(1) シナプス前細胞の軸索で活動電位(膜の脱分極)が伝わり、シナプス前終末まで到達する。 | (1) シナプス前細胞の軸索で活動電位(膜の脱分極)が伝わり、シナプス前終末まで到達する。<br> | ||
(2) [[カルシウム]]イオンがシナプス前終末に流入する。 | (2) [[カルシウム]]イオンがシナプス前終末に流入する。<br> | ||
(3) カルシウムイオンの下流で一連のシグナル伝達が引き起こされる。 | (3) カルシウムイオンの下流で一連のシグナル伝達が引き起こされる。<br> | ||
(4,5) シナプス小胞synaptic vesicleが細胞膜と結合する。 | (4,5) シナプス小胞synaptic vesicleが細胞膜と結合する。<br> | ||
(6) 神経伝達物質neurotransmitterのパケットpacket (quantum) | (6) 神経伝達物質neurotransmitterのパケットpacket (quantum)が開口放出される。<br> | ||
(7) 伝達物質がシナプス間隙synaptic cleftを拡散する。 | (7) 伝達物質がシナプス間隙synaptic cleftを拡散する。<br> | ||
(8) 一部は分解されたり、前終末に再び取り込まれてリサイクルされたりする。 | (8) 一部は分解されたり、前終末に再び取り込まれてリサイクルされたりする。<br> | ||
(9) シナプス後部で適切な受容体と結合した情報伝達物質は、 | (9) シナプス後部で適切な受容体と結合した情報伝達物質は、<br> | ||
(10) イオン透過型受容体ionotropic receptorのコンダクタンス(イオンの通りやすさ)を変化させる。 | (10) イオン透過型受容体ionotropic receptorのコンダクタンス(イオンの通りやすさ)を変化させる。<br> | ||
(11) これによってシナプス電位(膜電位、シナプス後電位ともいう)が変化し、シナプス後部の興奮が引き起こされる。 | (11) これによってシナプス電位(膜電位、シナプス後電位ともいう)が変化し、シナプス後部の興奮が引き起こされる。<br> | ||
イオン透過型受容体によって制御されるこの機構は、速い情報伝達(1-20 msec程度)を担い、[[知覚]]、反射、自発運動を引き起こす。情報がシナプスを通過するのにかかる時間をシナプス遅延synaptic delayと呼ぶ。 | イオン透過型受容体によって制御されるこの機構は、速い情報伝達(1-20 msec程度)を担い、[[知覚]]、反射、自発運動を引き起こす。情報がシナプスを通過するのにかかる時間をシナプス遅延synaptic delayと呼ぶ。 | ||