「妄想」の版間の差分

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25 バイト追加 、 2014年2月16日 (日)
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 二次妄想secondary delusion(妄想様観念delusion-like ideaも同義)とは、患者の現在の状況(他の精神病症状、気分状態、生活史、帰属する集団、パーソナリティなど)に由来するものとして発生的了解が可能な妄想である。  
 二次妄想secondary delusion(妄想様観念delusion-like ideaも同義)とは、患者の現在の状況(他の精神病症状、気分状態、生活史、帰属する集団、パーソナリティなど)に由来するものとして発生的了解が可能な妄想である。  


 患者の状況から発生的了解が可能な妄想であり、これは統合失調症を含むあらゆる[[精神病性障害]]、重症うつ病、躁病にみられる。不安や不信といった特定の気分基調に基づく解釈が妄想化するものは、とくに妄想反応paranoid reactionと呼ばれる。たとえば、職場での些細な失敗を思い悩む人が、「同僚から避けられている」との被害関係妄想を持つに至る。妄想反応はその内容が基本的に了解可能であることから、妄想知覚と区別される。だが妄想反応は統合失調症にも不安などに基づく妄想的誤解釈として生じることがあり、その場合、妄想知覚との区別が困難になりうる。短期の妄想反応が単独で見られる場合、DSM-5では「短期精神病性障害」、ICD-10では「F23.3妄想を主とする他の急性精神病性障害」と診断される。
 患者の状況から発生的了解が可能な妄想であり、これは統合失調症を含むあらゆる[[精神病性障害]]、重症[[うつ病]]、[[躁病]]にみられる。不安や不信といった特定の気分基調に基づく解釈が妄想化するものは、とくに妄想反応 (paranoid reaction)と呼ばれる。たとえば、職場での些細な失敗を思い悩む人が、「同僚から避けられている」との被害関係妄想を持つに至る。妄想反応はその内容が基本的に了解可能であることから、妄想知覚と区別される。だが妄想反応は統合失調症にも不安などに基づく妄想的誤解釈として生じることがあり、その場合、妄想知覚との区別が困難になりうる。短期の妄想反応が単独で見られる場合、DSM-5では「[[短期精神病性障害]]」、ICD-10では「F23.3妄想を主とする他の急性精神病性障害」と診断される。


 一次妄想(妄想知覚、妄想着想)と二次妄想(妄想反応など)が相互に関連付けられ、妄想体系ないし妄想構築を生じた場合、一次妄想を取り出して診断に用いることはしばしば困難である。
 一次妄想(妄想知覚、妄想着想)と二次妄想(妄想反応など)が相互に関連付けられ、[[妄想体系]]ないし[[妄想構築]]を生じた場合、一次妄想を取り出して診断に用いることはしばしば困難である。


==妄想の内容==
==妄想の内容==

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