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英語名:paraphilia 独:Paraphilie 仏:paraphilie | 英語名:paraphilia 独:Paraphilie 仏:paraphilie | ||
{{box|text= パラフィリアとは[[wikipedia:ja:性嗜好|性嗜好]]に偏りがある状態である。[[露出障害]](Exhibitionistic Disorder)、[[フェティシズム障害]](Fetishistic Disorder)、[[窃触障害]](Frotteuristic Disorder)、[[小児性愛障害]](Pedophilic Disorder)、[[性的マゾヒズム障害]](Sexual Masochism Disorder)、[[性的サディズム障害]](Sexual Sadism Disorder)、[[異性装障害]](Transvestic Disorder)、[[窃視障害]](Voyeuristic | {{box|text= | ||
パラフィリアとは[[wikipedia:ja:性嗜好|性嗜好]]に偏りがある状態である。[[露出障害]](Exhibitionistic Disorder)、[[フェティシズム障害]](Fetishistic Disorder)、[[窃触障害]](Frotteuristic Disorder)、[[小児性愛障害]](Pedophilic Disorder)、[[性的マゾヒズム障害]](Sexual Masochism Disorder)、[[性的サディズム障害]](Sexual Sadism Disorder)、[[異性装障害]](Transvestic Disorder)、[[窃視障害]](Voyeuristic Disorder)などがある。人間の性行動の何をもって正常とし、何をもって異常とするかは、明確に二分できるものではなく、文化的、歴史的状況によりさまざまな議論が起こりうる。性嗜好の偏りは秘密にされやすく、疫学を知るのは困難である。性犯罪につながるパラフィリアには認知行動療法に基づくグループ療法が行われる。パラフィリアの心理的要因を理解する概念として求愛障害(Courtship Disorder)がある。 | |||
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==パラフィリアとは== | ==パラフィリアとは== | ||
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==治療== | ==治療== | ||
パラフィリアの治療は、治療目的によって異なる。 | |||
犯罪につながるものではないが、夫婦関係の悪化や、自己評価の低下がみられる場合には精神療法主体となる。この場合、性嗜好の偏りそのものは必ずしも治療目的とはならない場合もある。 | |||
犯罪につながらない場合でも、本人が望む場合には性嗜好の偏りが治療目的となる。薬物療法としては、強迫や不安がパラフィリアの背景にある場合には、SSRIや抗不安剤が用いられることもある。性欲の抑制を目的に、海外では抗アンドロゲン剤が用いられるが、我が国では保険適用上は使用が困難である。 | |||
性犯罪につながるパラフィリアに対しては認知行動療法に基づくグループ療法が行われる。我が国では、性犯罪者に対しての再犯防止治療として、法務省が平成18年より「性犯罪者処遇プログラム」を実施している。概略は8人程度のグループを作り、1回100分程度のグループ治療を継続的に行い、共感性の欠如、認知の歪みといった性犯罪者の特徴を改善し、再犯予防の計画を立てていくといったものである。 | |||
==疫学== | ==疫学== | ||
性嗜好の偏りのある者は、そのことが周囲に知られると、馬鹿にされるのでは、気持ち悪く思われるのでは、といった心理から、個人的な秘密としているものが多い。また性嗜好の偏りがあるもののなかで、DSMの診断基準を満たす者がどのくらいいるかも不明である。このようなことから、パラフィリアの疫学的データは乏しい。 | |||
また、性犯罪についても、実際に行っても警察沙汰となり、司法統計に載るものは少なく、多くはそのまま暗数となる。そのため性犯罪の実数もまた把握は困難である。 | |||
== 原因 == | |||
脳疾患によって、二次的にパラフィリア的行動が出現することはある[8]。しかし多くの場合は、パラフィリアには明確な生物学的原因はない。 | |||
性的衝動以外にも、不安や強迫といった心理的側面や生育環境などの諸要素が組み合わさった結果だと理解されている。 | |||
特に心理的要因に関しては求愛障害(Courtship Disorder)という概念を紹介する。 | |||
求愛障害とは、Freundら[9]により提唱されている概念で、人間の性的活動をfinding phase、 affiliative phase、tactile phase、copulatory phaseの4段階に分け、この4段階から、過度に逸脱したものが、パラフィリアのいくつかに該当すると考える。 | |||
finding phaseとは、性的パートナーを探し出す段階である。一般的には、この段階では自分の好みのパートナーを探し出す活動が行われる。この段階が過度に突出し歪んだものが、窃視症になると考えられる。 | |||
affiliative phaseとは、性的パートナーと親しくなる段階である。一般的にはこの段階では、見つめたり、微笑んだり、話しかけたりすることで仲良くなろうとつとめる。この段階が過度に突出し歪んだものが、露出症やわいせつ電話になると考える。 | |||
tactile phaseとは、性的パートナーと触れ合う段階である。一般的にはこの段階では性交に至る前の身体的ふれあいが行われる。この段階が過度に突出し歪んだものが、窃触症や性的暴行になると考える。 | |||
copulatory phaseとは性交が行われる段階である。この段階が過度に突出し、歪んだものがレイプなどになると考える。 | |||
このように、求愛障害では、本来の性的活動の流れに沿わず、4段階の1段階だけが突出し、そこに強い性的興奮が伴う。本来の流れに沿っていないため、見知らぬ仲から、親しい関係になり性交というプロセスにはならず、見知らぬままの相手に性的興奮を持つことになる。 | |||
==関連項目== | ==関連項目== |