88
回編集
Hajimefujii (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
Hajimefujii (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
||
91行目: | 91行目: | ||
|colspan="2"|[[熱ショックタンパク質70/90]]||<ref><pubmed> 3782106 </pubmed></ref><ref><pubmed>2154682 </pubmed></ref> | |colspan="2"|[[熱ショックタンパク質70/90]]||<ref><pubmed> 3782106 </pubmed></ref><ref><pubmed>2154682 </pubmed></ref> | ||
|} | |} | ||
こうした様々なタンパク質と結合し、その活性や機能を制御することがカルモジュリンの機能であり、脳や神経細胞においては、神経突起形成<ref><pubmed> 12873385 </pubmed></ref><ref><pubmed>17553424 </pubmed></ref>、軸索伸展<ref><pubmed>15363394 </pubmed></ref><ref><pubmed>19864584 </pubmed></ref><ref><pubmed>24849351 </pubmed></ref>、シナプスの形成<ref><pubmed> 18184567 </pubmed></ref>、シナプス可塑性<ref><pubmed> 2847049</pubmed></ref><ref><pubmed>2549423 </pubmed></ref><ref><pubmed>1378648 </pubmed></ref><ref><pubmed> 7515479 </pubmed></ref><ref><pubmed>10200317 | こうした様々なタンパク質と結合し、その活性や機能を制御することがカルモジュリンの機能であり、脳や神経細胞においては、神経突起形成<ref><pubmed> 12873385 </pubmed></ref><ref><pubmed>17553424 </pubmed></ref>、軸索伸展<ref><pubmed>15363394 </pubmed></ref><ref><pubmed>19864584 </pubmed></ref><ref><pubmed>24849351 </pubmed></ref>、シナプスの形成<ref><pubmed> 18184567 </pubmed></ref>、シナプス可塑性<ref><pubmed> 2847049</pubmed></ref><ref><pubmed>2549423 </pubmed></ref><ref><pubmed>1378648 </pubmed></ref><ref><pubmed> 7515479 </pubmed></ref><ref><pubmed>10200317 </pubmed></ref>とその誘導に関わる細胞内シグナルの伝達<ref><pubmed> 8980227</pubmed></ref><ref><pubmed> 10731148</pubmed></ref><ref><pubmed> 19295602</pubmed></ref><ref><pubmed> 23602566 </pubmed></ref><ref><pubmed> 26139370 </pubmed></ref>、記憶・学習<ref><pubmed> 25277455 </pubmed></ref>をはじめ、様々な機能の中心的役割を果たす。また、[[リン酸化]]<ref><pubmed>6621532</pubmed></ref>や[[糖化]]<ref><pubmed>2541779</pubmed></ref>、[[メチル化]]<ref name=ref10 />など[[翻訳後修飾]]を受け、機能を調節することが知られている<ref><pubmed>1314563</pubmed></ref><ref><pubmed>9572870</pubmed></ref>。 | ||
カルモジュリンは、そのターゲットとなるCaMKII、カルシニューリン、アデニル酸シクラーゼなどの下流のエフェクター酵素の制御を通してのシナプス可塑性や記憶・学習に対する機能が指摘されてきた。また、ターゲットは多数あるが、神経入力のパターンに応じて異なる酵素を活性化し、状況に応じて適切な神経細胞機能を発現していると考えられている。例えば、海馬CA1領域における長期増強はNMDA受容体の活性化によりCa<sup>2+</sup>が流入し、カルモジュリンと結合することで下流の酵素を活性化して引き起こされる。CaMKIIαのノックアウトマウスにおいては、海馬のシェーファー側枝からCA1錐体細胞への長期増強が減弱することが報告されており<ref><pubmed>1378648 </pubmed></ref>、また海馬依存的な空間学習に異常がみられることが報告されている<ref><pubmed> 1321493</pubmed></ref>。また、最近ではCa<sup>2+</sup> | カルモジュリンは、そのターゲットとなるCaMKII、カルシニューリン、アデニル酸シクラーゼなどの下流のエフェクター酵素の制御を通してのシナプス可塑性や記憶・学習に対する機能が指摘されてきた。また、ターゲットは多数あるが、神経入力のパターンに応じて異なる酵素を活性化し、状況に応じて適切な神経細胞機能を発現していると考えられている。例えば、海馬CA1領域における長期増強はNMDA受容体の活性化によりCa<sup>2+</sup>が流入し、カルモジュリンと結合することで下流の酵素を活性化して引き起こされる。CaMKIIαのノックアウトマウスにおいては、海馬のシェーファー側枝からCA1錐体細胞への長期増強が減弱することが報告されており<ref><pubmed>1378648 </pubmed></ref>、また海馬依存的な空間学習に異常がみられることが報告されている<ref><pubmed> 1321493</pubmed></ref>。同様にカルモジュリンによって活性化されるアデニル酸シクラーゼ1、8やカルシニューリンもシナプス可塑性や記憶・学習に関与することが遺伝子改変動物などの研究によって報告されている<ref><pubmed>10482244</pubmed></ref><ref><pubmed>11733061 </pubmed></ref>。また、最近ではCa<sup>2+</sup>流入に伴うスパインの構造的可塑性の誘導に関わることや<ref><pubmed>15190253 </pubmed></ref>、この過程における種々の酵素の活性化が報告されている。 | ||
==サブファミリー== | ==サブファミリー== |
回編集