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腸管神経系

210 バイト追加, 2015年10月27日 (火) 17:45
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 S型神経は比較的高い入力抵抗を示し、脱分極刺激を行っている間は活動電位を発生するばかりでなく、20-100 ms程度の短い後過分極を伴う。また、この神経に発生する活動電位はTTXにより抑制されるため、Na<sup>+</sup>チャネルによるものである(図5S)。さらに、S型神経細胞においてはfast EPSPの加重により活動電位を発生するが、slow EPSPも記録される。S型神経細胞の形状は様々であるが、全て軸索を1本のみ有する神経細胞でありDogiel II型には分類されない。従って、その機能は運動神経あるいは介在神経と考えられる。
 輪走筋を支配する運動神経の大部分は筋層間神経叢に存在するが、[[ヒト]]を含む一部の[[哺乳類]]では粘膜下神経叢由来の神経も輪走筋を支配している。括約筋も含めた消化管の輪走筋を支配する運動神経には興奮性と抑制性の2種類がある。興奮性運動神経はアセチルコリンやサブスタンスPなどを、抑制性運動神経は一酸化窒素、VIPおよびATPなどを伝達物質としでは粘膜下神経叢由来の神経も輪走筋を支配している。括約筋も含めた消化管の輪走筋を支配する運動神経には興奮性と抑制性の2種類がある。興奮性運動神経はアセチルコリンやサブスタンスPなどを、抑制性運動神経は一酸化窒素、血管作動性腸管ペプチドおよびアデノシン三リン酸などを伝達物質とし<ref name=ref15><pubmed>2454974</pubmed></ref>、縦が13~35 μm、幅は9~22 μmの扁平な形の細胞体から4~20以上の樹状突起と1本の軸索を出すDogiel I型細胞に分類される(図6)。多くのI型神経の軸索は神経節を出て4ないしそれ以上の神経節を経由して輪走筋層に至る。
 多くの小[[動物]]では縦走筋へ投射している運動神経細胞の大部分は筋層間神経叢にあるが、モルモットでは筋層間神経叢にある細胞の約25%が縦走筋を支配している<ref name=ref1 />。しかし、ブタのような大きな動物では、縦走筋を支配する運動神経は一部、粘膜下神経叢にも由来する。
 粘膜筋板も興奮性と抑制性の運動神経支配を受けるが、その細胞体は粘膜下神経叢に存在する<ref name=ref16><pubmed>4146742</pubmed></ref> <ref name=ref17><pubmed>6210358</pubmed></ref>。
 粘膜や小動脈に投射している運動神経の細胞体は粘膜下神経叢に存在し<ref name=ref1 />、水分や電解質の輸送制御に関与している。粘膜上皮と消化管壁に存在する細動脈を支配する運動神経にはVIP/PACAPを伝達物質とする非コリン作働性分泌運動/血管拡張神経、[[カルレチニン]]を含むコリン作働性分泌運動/血管拡張神経、そして神経ペプチドY(NPY)を含むコリン作働性分泌運動神経の3種類あると考えられる<ref name=ref18><pubmed>12740940</pubmed></ref>。VIPおよびその関連ペプチドは粘膜上皮に作用して水の分泌を誘発するが。血管作動性腸管ペプチドおよびその関連ペプチドは粘膜上皮に作用して水の分泌を誘発するが<ref name=ref19><pubmed>8384795</pubmed></ref>、VIP分泌運動神経は多くの哺乳類で小腸、大腸および胆嚢にも広範囲に分布している、血管作動性腸管ペプチド分泌運動神経は多くの哺乳類で小腸、大腸および胆嚢にも広範囲に分布している<ref name=ref20>'''Furness J.B., Llewellyn Smith I.J., Bornstein J.C., Costa M.'''<br>Chemical neuroanatomy and the analysis of neuronal circuitry in the enteric nervous system. <br>In Björklund A, Hökfelt T, Owman C (eds) Handbook of Chemical Neuroanatomy: The peripheral nervous system. <br>Pp. 161-218, 1988.</ref>。
===グリア細胞===
===Intestinofugal神経===
 Intestionofugal神経は細胞体が大腸の筋層間神経叢にあり、交感神経[[節後線維]]との間にシナプスを作り、消化管全域を支配する交感神経節後線維を支配している<ref name=ref35><pubmed>12077055</pubmed></ref> <ref name=ref36><pubmed>22997196</pubmed></ref>。この神経は消化管の輪状筋方向に配置され、壁の伸展や内容物の移動及び消化管の容積変化を感知する機械刺激受容器として機能する。Intestinofugal神経からの情報は交感神経性椎前神経節に伝えられ、交感神経と協調して消化管の全長にわたる運動の制御に関与する<ref name=ref36 />。すなわち、大腸の拡張刺激により椎前神経節内でAChを放出し、。すなわち、大腸の拡張刺激により椎前神経節内でアセチルコリンを放出し、[[ニコチン性]]fast EPSPを発生させ、消化管各部位間における局所反射の求心路を形成する。この細胞は小動物では筋層間神経叢にありDogiel I型の形態を示す<ref name=ref1 />が、ブタでは粘膜下神経叢にも認められる<ref name=ref37><pubmed>8227951</pubmed></ref>。
==機能==
<ref name=ref1 /> <ref name=ref2 /> <ref name=ref3 /> <ref name=ref38 />
 小腸と大腸における水と電解質の輸送は、腸管神経系により制御されている。この反射は[[脳幹]]にある循環中枢を介した[[wikipedia:ja:血圧|血圧]]や血流量の変化に反応する抑制性交感神経経路から独立している。電解質や水の輸送および[[イオン]]に対する透過性の調節は、神経伝達物質としてVIPとAChを利用する分泌運動神経により制御されている。ほとんどの分泌運動神経の細胞体は粘膜に対する透過性の調節は、神経伝達物質として血管作動性腸管ペプチドとアセチルコリンを利用する分泌運動神経により制御されている。ほとんどの分泌運動神経の細胞体は粘膜[[下神経節]]に存在する。また、水や電解質の分泌には分泌される水や電解質を供給するための血管拡張を伴う。
 水や電解質の輸送は胃、小腸、大腸、膵臓および胆嚢などで行われ、水は浸透圧活性を有する分子の移動に伴い、粘膜上皮を介して管腔と血管側の間を移動する。小腸管腔に流入する水分量は1日当たり8~9 Lに達するが、これは総血液量を上回る量であり、腸管神経系による水や電解質の輸送制御は、生体の電解質[[バランス]]や体液量の制御に極めて重要である。消化管粘膜における水の輸送に伴って[[栄養素]]やNa<sup>+</sup>の吸収が行われ、小腸、大腸、膵臓および胆嚢で行われる管腔内への水の分泌はCl-とHCO3-の分泌を伴う。
 粘膜への血液の供給は血管拡張神経を介して制御されており、粘膜の血流量は粘膜上皮の活動に応じて適切に調節されている。一方、腸管神経系には血管収縮神経は存在しない。なお、消化管に供給される総血液量は交感神経性の血管収縮神経により中枢性に制御されている。
 小腸粘膜下神経叢には3種類の分泌運動神経が存在する。1つはVIPを含む非 小腸粘膜下神経叢には3種類の分泌運動神経が存在する。1つは血管作動性腸管ペプチドを含む非[[コリン]]作働性神経であり、他の2つはカルレチニン及びNPYを含むコリン作働性神経である(表1参照)。そのうちVUP含有非コリン作働性神経とカルレチニン陽性コリン作働性神経は粘膜上皮や小動脈を支配しているが、NPY含有コリン作動性分泌運動神経は血管位は側枝を出さず、粘膜上皮のみを支配している<ref name=ref4 />。
==関連項目==

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