「視点転換」の版間の差分

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同義語:他者視点取得 (perspective-taking)
同義語:他者視点取得 (perspective-taking)


{{box|text= 視点転換は、自己中心視点および他者中心視点からなるものであり、物体の見え方などの物理レベルと、他者の意図や心的状態の推測に関わる社会レベルに分けられる。特に、社会レベルの視点転換では、他者視点取得 (perspective-taking)が必要となり、他者の信念や意図を推測する際に必要な能力である「心の理論」や共感と強く関与することが知られている。}}
{{box|text= 視点転換は、自己中心視点および他者中心視点からなるものであり、物体の見え方などの物理レベルと、他者の意図や心的状態の推測に関わる社会レベルに分けられる。特に、社会レベルの視点転換では、他者視点取得(perspective-taking)が必要となり、他者の信念や意図を推測する際に必要な能力である「心の理論」や共感と強く関与することが知られている。}}


==視点転換とは==
==視点転換とは==
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== 神経基盤 ==
== 神経基盤 ==
 視点転換には、[[前頭眼野]] (Frontal Eye field)と左の[[側頭頭頂接合部]] (TPJ: Temporal Parietal Junction)が関与する<ref>'''乾 敏郎'''<br>視点と参照枠<br>乾 敏郎・吉川 左紀子・川口 潤 (編) よくわかる認知科学<br>''ミネルヴァ書房'', 2010</ref><ref><pubmed> 24535033 </pubmed></ref><ref><pubmed> 23999082 </pubmed></ref><ref><pubmed> 25496670 </pubmed></ref>。[[自己視点]]を抑制して[[他者視点]]で判断するときに、右半球の[[45野]]が活動する<ref><pubmed> 15774506 </pubmed></ref>。物語を理解する際に必要な登場人物の空間的な視点転換(空間的他者視点取得)には、右の側頭頭頂接合部と[[楔前部]] (precuneus)が関与する<ref><pubmed> 19135072 </pubmed></ref>。心の理論を解明するために使用される誤信念課題を用いた研究では、信念課題と比較して誤信念課題を解いている際には、左の側頭頭頂接合部と楔前部が関与する<ref><pubmed> 25042446 </pubmed></ref>。
 視点転換には、[[前頭眼野]] (Frontal Eye field)と左の[[側頭頭頂接合部]] (TPJ: Temporal Parietal Junction)が関与する<ref>'''乾 敏郎'''<br>視点と参照枠<br>乾 敏郎・吉川 左紀子・川口 潤 (編) よくわかる認知科学<br>''ミネルヴァ書房'', 2010</ref><ref><pubmed> 24535033 </pubmed></ref><ref><pubmed> 23999082 </pubmed></ref><ref><pubmed> 25496670 </pubmed></ref>。[[自己視点]]を抑制して[[他者視点]]で判断するときに、右半球の[[45野]]が活動する<ref><pubmed> 15774506 </pubmed></ref>。物語を理解する際に必要な登場人物の空間的な視点転換(空間的他者視点取得)には、右の側頭頭頂接合部と[[楔前部]](precuneus)が関与する<ref><pubmed> 19135072 </pubmed></ref>。心の理論を解明するために使用される誤信念課題を用いた研究では、信念課題と比較して誤信念課題を解いている際には、左の側頭頭頂接合部と楔前部が関与する<ref><pubmed> 25042446 </pubmed></ref>。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

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