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刺激等価性

17 バイト追加, 2016年2月4日 (木) 13:52
編集の要約なし
''慶應義塾大学先導研究センター''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2016年2月1日 原稿完成日:2016年月日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0048432 定藤 規弘](自然科学研究機構生理学研究所 [[大脳皮質]]機能研究系)大脳皮質機能研究系)<br>
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 刺激等価性はヒトの言語の運用上必要不可欠な行動特性であるばかりでなく、論理学的な真偽はともかく迅速な判断が求められるヒトの推論の背後にあるメカニズムとしても捉えられる。このように、ヒトにとって刺激等価性は、ヒトの認知能力を特色付けるような要素に関わっていると考えられる一方、ヒト以外の動物における刺激等価性成立の証拠は大変少ない。
 シドマンの定式化以後、様々なヒト以外の動物を対象として刺激等価性の成立がテストされてきた。[[哺乳類]]ではアヌビスヒヒ、[[アカゲザル]]、[[カニクイザル]]、[[wikipedia:ja:フサオマキザル|フサオマキザル]]、[[wikipedia:ja:チンパンジー|チンパンジー]]、[[wikipedia:ja:シロイルカ|シロイルカ]]、カリフォルニアアシカ、[[wikipedia:ja:ラット|ラット]]、[[鳥類]]ではデンショバト、[[wikipedia:ja:セキセイインコ|セキセイインコ]]、[[wikipedia:ja:ハシブトガラス|ハシブトガラス]]などが挙げられる<ref name=ref5 />。この中で、刺激等価性の成立が確認されたのはカリフォルニアアシカとチンパンジーであった。中でも、成立した等価クラスの数、関連する認知機能の検査を加えての追試により、個体内で繰り返し等価関係の成立を確認できたのは、[[wikipedia:ja:シュスターマン|シュスターマン]](R. Schusterman)らの被験体であるカリフォルニアアシカのみである<ref name=ref6 />。
 等価性の構成要素の中で成立・不成立の結果を概観すると、対称性が鍵となっていることがわかる。反射性、推移性を示す動物は決して少なくないが、対称性を示す動物は稀である。シドマンは、刺激等価性は強化随伴性の中にビルトインされたもので、ヒトは等価性を成立させるように作られていると論じている。事実、ヒトにおける等価性成立の頑健さは様々な認知的障害にも影響を受けない。言語使用能力と刺激等価性成立との関係を文献調査したところ、知的障害、[[自閉的傾向]]などの特定の障害と等価性の成立/不成立との間には明瞭な関係が存在しないことが指摘されている<ref name=ref7 />。不成立の場合でも、ヒトとヒト以外の動物の成績は明瞭に異なる。ヒトは刺激等価性が成立しなかった場合は、前提となる条件性弁別課題がある基準以上の成績に達しなかったことが原因であると考えられる一方、ヒト以外の動物では訓練された条件性弁別試行の成績が十分に高いのに、テストセッションの途中で挿入される刺激等価性テスト試行の成績が訓練済み試行に比べて有意に低いか、チャンスレベルとなっている<ref name=ref11><pubmed>10682337</pubmed></ref>。

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