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Hirokazuyokokawa (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0069012 横川 博一]</font><br> | |||
''神戸大学''<br> | |||
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2016年3月9日 原稿完成日:2016年月日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0048432 定藤 規弘](自然科学研究機構生理学研究所 大脳皮質機能研究系)<br> | |||
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英語名:Foreign Language Learning | 英語名:Foreign Language Learning | ||
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外国語学習は,母語とは別の言語を何らかの形で身につけようとする営みである。外国語習得に対する観念,学習プロセスの捉え方,学習者要因などは,教授法・指導法および外国語学習に大きく影響を及ぼす。とりわけ,外国語の獲得・処理・学習の認知メカニズムを解明することは,言語運用能力の熟達化のプロセスを明らかにすることであると同時に,外国語学習のあり方や発展にも貢献するものである。 | |||
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== 定義 == | == 定義 == | ||
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=== 第二言語習得理論 === | === 第二言語習得理論 === | ||
外国語運用能力の育成には、運用能力の基盤となる知識の形成と運用スキルの習熟を図ることが必要であり、言語処理の'''自動化'''(automatization)が外国運用能力の熟達化にとって重要な役割を果たすことは広く認識されてきている。しかし、その認知メカニズムは十分に明らかにされているとは言い難く、言語情報のインプットを効率的に処理できる形式に変換して理解したり,概念化や発話計画からアウトプットに到るプロセスにおいて、音韻、形態、統語、意味などの脳内処理がどの程度自動的・[[無意識]]的に行われているのか、そのプロセスを解明することが、外国語運用能力育成の鍵ともなる。なお,脳科学的視点からの第二言語習得研究については大石(2006)<ref>'''大石晴美'''<br>脳科学からの第二言語習得論:英語学習と教授法開発<br>''昭和堂'': 2006</ref>,外国語学習者の言語情報処理の自動化については横川・定藤・吉田編(2014)<ref>'''横川博一・定藤規弘・吉田晴世編'''<br>外国語運用能力はいかに熟達化するか:言語情報処理の自動化プロセスを探る<br>''松柏社'': 2014</ref>を参照されたい。 | |||
こうした外国語学習者の心理的プロセスに焦点をあてる第二言語習得研究は,Coder, P. (1967) “The significance of learners’ errors”(学習者の誤用の意義)によって始まったとされる<ref>'''Coder, S. P.'''<br>The significance of learners' errors<br>''IRAL: International Review of Applied Linguistics in Language Teaching, 5, 161-170'': 1967</ref>。その後,学習者が目標言語を学習するにつれて変容していく'''中間言語'''(interlanguage; Selinker, 1972)<ref>'''Selinker, L.'''<br>Interlanguage<br>''IRAL: International Review of Applied Linguistics in Language Teaching, 10, 209-231'': 1972</ref>のシステムを解明することが中心的課題となっている。主な第二言語習得の理論には次のようなものがある。 | |||
* '''インプット仮説'''(the input hypothesis):Krashen<ref>'''Krashen, S. D.'''<br>Principles and practice in second language acquisition<br>''Oxford: Pergamon'': 1982</ref>によって提唱された理論で,言語習得は「理解可能なインプット」(comprehensible input)を理解することによって起こり,学習者の熟達度(i)よりも少し上のレベルのもの(i+1)が適切であるとされる。また,情意フィルター(affective filter),つまり不安度(anxiety)は低いほうがよく,文法知識の役割は小さいと考えている。この考え方では目標言語で教授することを重視しており,後に「ナチュラル・アプローチ」(the natural approach, Krashen (1983))へと発展した<ref>'''Krashen, S. D. & Terrell, T. D.'''<br>The natural approach: Language acquisition in the classroom.<br>''Oxford: Pergamon'': 1983</ref>,<ref>'''Krashen, S. D.'''<br>The input hypothesis: Issues and implications <br>''Oxford: Pergamon'': 1985</ref>。 | * '''インプット仮説'''(the input hypothesis):Krashen<ref>'''Krashen, S. D.'''<br>Principles and practice in second language acquisition<br>''Oxford: Pergamon'': 1982</ref>によって提唱された理論で,言語習得は「理解可能なインプット」(comprehensible input)を理解することによって起こり,学習者の熟達度(i)よりも少し上のレベルのもの(i+1)が適切であるとされる。また,情意フィルター(affective filter),つまり不安度(anxiety)は低いほうがよく,文法知識の役割は小さいと考えている。この考え方では目標言語で教授することを重視しており,後に「ナチュラル・アプローチ」(the natural approach, Krashen (1983))へと発展した<ref>'''Krashen, S. D. & Terrell, T. D.'''<br>The natural approach: Language acquisition in the classroom.<br>''Oxford: Pergamon'': 1983</ref>,<ref>'''Krashen, S. D.'''<br>The input hypothesis: Issues and implications <br>''Oxford: Pergamon'': 1985</ref>。 | ||
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