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==まとめ== | ==まとめ== | ||
境界性パーソナリティ障害は、感情や対人関係の不安定さ、衝動的行動パターンを主徴とするパーソナリティ障害であり、精神科臨床で見られる頻度の高いものである。その病因論では、生物学的要因や養育環境の要因などさまざまな発病要因の関与が想定されている。その治療では、さまざまな精神療法や薬物療法が組み合わせられて用いられており、治療の実績が確認されつつある。すなわち、現在これは、治療によって改善・回復が十分に期待できる精神障害であると考えられる。しかしそこには、依然として疾病論的に不確定の部分が残されており、さらに多数の精神障害が併存する性質があることなどから、境界性パーソナリティ障害の診断・治療を定式化して普及させることが容易でないと考えられる。特にわが国では、その診断が一般的になっておらず、治療技法も十分普及していない状態にある。今後とも議論を積み重ねて、わが国に適合した対策を考案し、導入することが要請されている<ref name=ref12>'''林直樹'''<br>実地診療におけるパーソナリティ障害の診断および誤診の特殊性<br>''精神科診断学''. 2014;7(1):57-63.</ref>。 | 境界性パーソナリティ障害は、感情や対人関係の不安定さ、衝動的行動パターンを主徴とするパーソナリティ障害であり、精神科臨床で見られる頻度の高いものである。その病因論では、生物学的要因や養育環境の要因などさまざまな発病要因の関与が想定されている。その治療では、さまざまな精神療法や薬物療法が組み合わせられて用いられており、治療の実績が確認されつつある。すなわち、現在これは、治療によって改善・回復が十分に期待できる精神障害であると考えられる。しかしそこには、依然として疾病論的に不確定の部分が残されており、さらに多数の精神障害が併存する性質があることなどから、境界性パーソナリティ障害の診断・治療を定式化して普及させることが容易でないと考えられる。特にわが国では、その診断が一般的になっておらず、治療技法も十分普及していない状態にある。今後とも議論を積み重ねて、わが国に適合した対策を考案し、導入することが要請されている<ref name=ref12>'''林直樹'''<br>実地診療におけるパーソナリティ障害の診断および誤診の特殊性<br>''精神科診断学''. 2014;7(1):57-63.</ref>。 | ||
== 関連項目 == | |||
* [[パーソナリティ障害]] | |||
==参考文献== | ==参考文献== | ||
<references /> | <references /> |