「音源定位」の版間の差分

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==鳥類でのITD検出==
==鳥類でのITD検出==
 鳥類では、脳幹に存在する層状核(nucleus laminaris, NL)がJeffressモデルにおける同時検出器に相当する神経核である。面フクロウやニワトリで特に詳細な研究がなされており、実際にNLから細胞外記録を行いながら左右の耳に与える音刺激の時間差を変化させると、神経細胞の発火頻度は時間差に応じて変化する。さらに個々の細胞における最適ITDは神経核内での位置によって非常に鋭敏にかつ段階的に変化すること、これには蝸牛神経核からの投射軸索の枝分かれ、つまりdelay lineが精巧に配置されていることや、NL細胞の電気的特性が大きく関与していることも明らかにされている。このような所見からトリにおけるITD情報は、Jefferssモデルにおいて提唱されたように、NL内で発火する神経細胞の位置として符号化されて上位へ送られると考えられている。
 [[鳥類]]では、脳幹に存在する[[層状核]](nucleus laminaris: NL)がJeffressモデルにおける同時検出器に相当する神経核である。面フクロウや[[wj:ニワトリ|ニワトリ]]で特に詳細な研究がなされており、実際にNLから細胞外記録を行いながら左右の耳に与える音刺激の時間差を変化させると、神経細胞の発火頻度は時間差に応じて変化する。
 
 さらに個々の細胞における最適ITDは神経核内での位置によって非常に鋭敏にかつ段階的に変化すること、これには蝸牛神経核からの投射軸索の枝分かれ、つまりdelay lineが精巧に配置されていることや、NL細胞の電気的特性が大きく関与していることも明らかにされている。このような所見からトリにおけるITD情報は、Jefferssモデルにおいて提唱されたように、NL内で発火する神経細胞の位置として符号化されて上位へ送られると考えられている。


==参考文献==
==参考文献==
<references/>
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