「ゲノム編集」の版間の差分

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==== 転写制御 ====
==== 転写制御 ====
 CRISPR/Casシステムは、RNA誘導型ヌクレアーゼであり、ガイドRNAが標的ゲノム部位にCasを誘導する。Casに点変異を入れ、ガイドRNAとは複合体を形成できるがヌクレアーゼ活性を持たないCas を作成することができる。この不活性型Cas(dCas9やdCpf1)に、様々な活性を持つ蛋白質を融合することにより、融合蛋白質を標的ゲノム部位に誘導することができる。転写活性化因子Vp64あるいは転写抑制因子KRABをdCas9やdCpf1と融合し、標的ゲノム部位と相補的配列を持つガイドRNAと伴に細胞に導入すると、標的遺伝子の転写を活性化あるいは抑制することができ、遺伝子の機能を解析することができる<ref><pubmed></pubmed></ref> <ref><pubmed>29235474]</pubmed></ref>[21][22]。しかし、一つのdCasに対し一つの転写調節因子を結合させても遺伝子転写制御は不十分であり、通常は、dCasまたはガイドRNAに複数の転写調節因子を付加する系が使われている<ref><pubmed>27248712</pubmed></ref>[23]。この系は、一つの細胞内の複数の遺伝子の転写を同時に制御することができる。
 CRISPR/Casシステムは、RNA誘導型ヌクレアーゼであり、ガイドRNAが標的ゲノム部位にCasを誘導する。Casに点変異を入れ、ガイドRNAとは複合体を形成できるがヌクレアーゼ活性を持たないCas を作成することができる。この不活性型Cas(dCas9やdCpf1)に、様々な活性を持つ蛋白質を融合することにより、融合蛋白質を標的ゲノム部位に誘導することができる。転写活性化因子Vp64あるいは転写抑制因子KRABをdCas9やdCpf1と融合し、標的ゲノム部位と相補的配列を持つガイドRNAと伴に細胞に導入すると、標的遺伝子の転写を活性化あるいは抑制することができ、遺伝子の機能を解析することができる<ref><pubmed>23849981</pubmed></ref> <ref><pubmed>29235474</pubmed></ref>[21][22]。しかし、一つのdCasに対し一つの転写調節因子を結合させても遺伝子転写制御は不十分であり、通常は、dCasまたはガイドRNAに複数の転写調節因子を付加する系が使われている<ref><pubmed>27248712</pubmed></ref>[23]。この系は、一つの細胞内の複数の遺伝子の転写を同時に制御することができる。


==== エピゲノム制御 ====
==== エピゲノム制御 ====

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