「ナノボディ」の版間の差分

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 1つのナノボディは、120アミノ酸(cDNAとして360bp)ほどなので、クローニングなどに利用するための配列を付加しても500bp未満の長さに収めることができる。したがって、利用したい特定ナノボディのアミノ酸配列がわかっていれば、いくつかの民間会社が提供している長鎖DNAを化学合成するサービスなどを利用することで短期間のうちにcDNA配列が入手可能である。
 1つのナノボディは、120アミノ酸(cDNAとして360bp)ほどなので、クローニングなどに利用するための配列を付加しても500bp未満の長さに収めることができる。したがって、利用したい特定ナノボディのアミノ酸配列がわかっていれば、いくつかの民間会社が提供している長鎖DNAを化学合成するサービスなどを利用することで短期間のうちにcDNA配列が入手可能である。


 通常、ナノボディは、目的別に発現ベクターにクローニングした後、哺乳類細胞だけなく、[[wj:細菌|細菌]]、[[wj:酵母|酵母]]、[[wj:植物|植物]]でも産生させることができる。哺乳類細胞では、抗体が本来機能する細胞外だけでなく、細胞内部でも発現させることが可能である([[wj:イントラボディ|イントラボディ]]、下記参考)。ただし、ナノボディの配列はそれぞれ異なり、[[wj:ジスルフィド結合|ジスルフィド結合]]の生成が抗原との結合力あるコンフォメーションを取るために必要な場合、細胞外とは還元環境の異なる細胞内や細菌などでは活性のあるものが産生できないものもある。
 通常、ナノボディは、目的別に発現ベクターにクローニングした後、哺乳類細胞だけなく、[[wj:細菌|細菌]]、[[wj:酵母|酵母]]、[[wj:植物|植物]]でも産生させることができる。哺乳類細胞では、抗体が本来機能する細胞外だけでなく、細胞内部でも発現させることが可能である([[wj:イントラボディ|イントラボディ]]、下記参考)。ただし、ナノボディの配列はそれぞれ異なり、[[wj:ジスルフィド結合|ジスルフィド結合]]の生成が抗原との結合力あるコンフォメーションを取るために必要な場合、細胞外とは還元環境の異なる細胞内や細菌などでは活性のあるものが産生できないものもある。ナノボディの中には90℃という高温でも失活しないものもあるように<ref><pubmed>10209277</pubmed></ref><ref><pubmed>24739391</pubmed></ref>、一般に安定性は高いが、これも各ナノボディのアミノ酸配列から生じる特性による。<u>(編集部コメント:この段落はむしろ応用の方に移してはと思います)</u>
 
 ナノボディの中には90℃という高温でも失活しないものもあるように<ref><pubmed>10209277</pubmed></ref><ref><pubmed>24739391</pubmed></ref>、一般に安定性は高いが、これも各ナノボディのアミノ酸配列から生じる特性による。


==利用法==
==利用法==