「腹側線条体」の版間の差分

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 腹側線条体は種を超えて[[快感]]・報酬・[[意欲]]・[[嗜癖]]・[[恐怖]]の情報処理に重要な役割を果たし、[[報酬獲得行動]]や[[薬物中毒]]の病態の責任部位であると考えられている。近年は[[徐波睡眠]]との関連も明らかになってきている<ref name=Oishi2017><pubmed>28963505</pubmed></ref> 。
 腹側線条体は種を超えて[[快感]]・報酬・[[意欲]]・[[嗜癖]]・[[恐怖]]の情報処理に重要な役割を果たし、[[報酬獲得行動]]や[[薬物中毒]]の病態の責任部位であると考えられている。近年は[[徐波睡眠]]との関連も明らかになってきている<ref name=Oishi2017><pubmed>28963505</pubmed></ref> 。
=== 空間探索行動と行動選択 ===
=== 空間探索行動と行動選択 ===
 [[げっ歯類]]において、側坐核coreの障害実験により、この領域が空間情報・目標・[[教師信号]]などの入力を受けゴールにたどり着くための[[行動選択]]([[空間探索行動]], spatial navigation)に関わる<ref name=Sargolini2003><pubmed>12888547</pubmed></ref><ref name=Ploeger1994><pubmed>7826515</pubmed></ref> ことが示された。神経活動記録でも、側坐核coreのmedium spiny neuronが、いわゆるplace cellに相当する特定の居場所での発火を示すこと<ref name=Shibata2001><pubmed>11738254</pubmed></ref><ref name=Mulder2004>15078566</pubmed></ref> 、さらにはその場所からの歩行の方向<ref name=Peoples1998><pubmed>9736676</pubmed></ref> によっても発火頻度が変化することが報告された。一方、shellの障害では、海馬からの入力が強いにもかかわらずそのような位置情報への影響は見られない。
 [[げっ歯類]]において、側坐核coreの障害実験により、この領域が空間情報・目標・[[教師信号]]などの入力を受けゴールにたどり着くための[[行動選択]]([[空間探索行動]], spatial navigation)に関わる<ref name=Sargolini2003><pubmed>12888547</pubmed></ref><ref name=Ploeger1994><pubmed>7826515</pubmed></ref> ことが示された。神経活動記録でも、側坐核coreのmedium spiny neuronが、いわゆるplace cellに相当する特定の居場所での発火を示すこと<ref name=Shibata2001><pubmed>11738254</pubmed></ref><ref name=Mulder2004><pubmed>15078566</pubmed></ref> 、さらにはその場所からの歩行の方向<ref name=Peoples1998><pubmed>9736676</pubmed></ref> によっても発火頻度が変化することが報告された。一方、shellの障害では、海馬からの入力が強いにもかかわらずそのような位置情報への影響は見られない。


=== 情動や意欲、意思決定 ===
=== 情動や意欲、意思決定 ===

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