「到達運動」の版間の差分

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====SLF-Iによって結ばれる領域====
====SLF-Iによって結ばれる領域====
[[頭頂連合野|上頭頂小葉]]と[[運動前野|背側運動前野]]は、いずれも方向に選択性を示す到達運動ニューロンが記録される。特に、上頭頂小葉では、頭頂間溝の前壁後方部分の[[MIP]]やその背側の表面に出ている[[頭頂連合野|5野]](PE)、さらに頭頂後頭溝の前壁にある[[V6A]]など複数の領域がある。
[[頭頂連合野|上頭頂小葉]]と[[運動前野|背側運動前野]](F2)は、いずれも方向に選択性を示す到達運動ニューロンが記録される。特に、上頭頂小葉では、頭頂間溝の前壁後方部分の[[MIP]]やその背側の表面に出ている[[頭頂連合野|5野]](PE)、さらに頭頂後頭溝の前壁にある[[V6A]]など複数の領域がある。


=====''[[MIP]]''=====
=====''[[MIP]]''=====
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=====''[[背側運動前野]](PMd)''=====
=====''[[背側運動前野]](PMd)''=====
PMdでは、到達運動や手首傾きに関わるニューロン活動が記録される(Rizzolatti et al., 2014)。視覚刺激を出してから遅延を与えて到達運動をする課題では、運動に先行した活動([[運動前野|set-related activity]])が見られ、運動の準備に関わると考えられる(Wise et al., 1997)。到達運動のためのターゲットの位置が空間的に表現されるのではなく、抽象的に表現される場合でも、運動に変換する過程において反応が認められる。運動効果器(右腕 左腕)の選択にも関わることが明らかになっている(Hoshi & Tanji, 2000)。
PMdでは、到達運動や手首傾きに関わるニューロン活動が記録される(Rizzolatti et al., 2014)。視覚刺激を出してから遅延を与えて到達運動をする課題では、運動に先行した活動([[運動前野|set-related activity]])が見られ、運動の準備に関わると考えられる(Wise et al., 1997)。また、視覚刺激に関わる活動や運動そのものに関わる活動も見られる。運動のためのターゲットの位置が空間的に表現されるのではなく、色や形などで抽象的に表現される場合でも、同様の反応が認められる。運動効果器(右腕 左腕)の選択にも関わることが明らかになっている(Hoshi & Tanji, 2000)。
 
====SLF-IIIによって結ばれる領域====
[[腹側運動前野]](F4)と頭頂間溝の底部にある[[空間知覚|VIP]]は、SLF-IIIによって結合しており、いずれも身体のある部分の体性感覚受容野とともに、そのすぐ近くの身体周辺空間(ペリパーソナルスペース)に視覚の受容野を持ち、手の届く範囲の身体部分中心座標を表現している(Fogassi et al., 1996; Duhamel et al., 1998)。また[[腹側運動前野]]F5と頭頂間溝の外側壁の{{空間知覚|AIP]]のを結ぶ回路は、主に把持運動に関わっているが、把持運動の対象物の空間的な場所によって、ニューロンの活動が変化することがわかっている。
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