89
回編集
Niimiryosuke (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
Niimiryosuke (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
||
56行目: | 56行目: | ||
例えば、赤光か緑光が提示され、赤ならば右、緑ならば左のボタンをできるだけ速く押す(2肢強制選択課題; 2AFC task)。 | 例えば、赤光か緑光が提示され、赤ならば右、緑ならば左のボタンをできるだけ速く押す(2肢強制選択課題; 2AFC task)。 | ||
====Go/No- | ====Go/No-Go反応時間(Go/No-Go reaction time)==== | ||
弁別反応時間(discriminative reaction time)とも。 | |||
既知の複数の刺激のいずれかが提示され、そのうち特定の刺激の場合のみ、決められた1種類の反応をするときの反応時間。 | 既知の複数の刺激のいずれかが提示され、そのうち特定の刺激の場合のみ、決められた1種類の反応をするときの反応時間。 | ||
例えば、赤光か緑光が提示され、赤ならばボタンを押し、緑ならば何もしない。 | 例えば、赤光か緑光が提示され、赤ならばボタンを押し、緑ならば何もしない。 | ||
157行目: | 158行目: | ||
===分布の非対称性=== | ===分布の非対称性=== | ||
[[ファイル:RTdistributions.png|thumb|320px|'''図2.''' | [[ファイル:RTdistributions.png|thumb|320px|'''図2.''' 反応時間の分布と変数変換。 | ||
1名の被験者による視覚選択反応時間(正答試行のみ)の分布の例。 | |||
中段は同じデータを対数変換したもの、下段は逆数変換したものを示す。 | |||
変数変換により、分布の非対称性が減じている。 | |||
]] | |||
反応時間の分布は、種々の時間長データと同様、正の歪度を示す非対称形になる(図2)。 | 反応時間の分布は、種々の時間長データと同様、正の歪度を示す非対称形になる(図2)。 | ||
298行目: | 303行目: | ||
これは長い時間を正確に予測するのが難しいためだと考えられる。 | これは長い時間を正確に予測するのが難しいためだと考えられる。 | ||
FPが変動する場合には、用いられるFPのうち短いFPで反応時間が長くなることがある | FPが変動する場合には、用いられるFPのうち短いFPで反応時間が長くなることがある | ||
<ref name=NiemiNaatanen1981 /> | |||
<ref name=Drazin1961><pubmed>13724295</pubmed></ref> | <ref name=Drazin1961><pubmed>13724295</pubmed></ref> | ||
。 | 。 | ||
いずれにせよ、FPの操作は予期や構えに関係するため、その影響は複雑である。 | いずれにせよ、FPの操作は予期や構えに関係するため、その影響は複雑である。 | ||
310行目: | 315行目: | ||
<ref><pubmed>4160389</pubmed></ref> | <ref><pubmed>4160389</pubmed></ref> | ||
。 | 。 | ||
近年では[[fMRI]] | 近年では[[fMRI]]でも類似の検討が試みられている | ||
<ref><pubmed>9724802</pubmed></ref> | <ref><pubmed>9724802</pubmed></ref> | ||
。 | 。 | ||
435行目: | 440行目: | ||
の方が反応時間は短い。 | の方が反応時間は短い。 | ||
=== | ===刺激-反応適合性=== | ||
[[ファイル:RTcompatibility.png|frame|'''図3.''' | [[ファイル:RTcompatibility.png|frame|'''図3.''' 空間的刺激-反応適合性(spatial S-R compatibility)の例。 | ||
右のランプが点灯したら右のボタンを押す場合(適合条件)では、右のランプが点灯したら左のボタンを押す場合(非適合条件) | |||
よりも、反応時間が短くなる。 | |||
]] | |||
刺激の特性と反応の特性が適合的なときは、非適合的なときより反応が速く正確になる。 | 刺激の特性と反応の特性が適合的なときは、非適合的なときより反応が速く正確になる。 | ||
例えば高い音に対して「高い」、低い音に対して「低い」と答えるのは、 | 例えば高い音に対して「高い」、低い音に対して「低い」と答えるのは、 | ||
高い音に対して「低い」、低い音に対して「高い」と答えるより容易である。 | 高い音に対して「低い」、低い音に対して「高い」と答えるより容易である。 | ||
このような違いを、刺激-反応適合性(stimulus-response compatibility)の効果と呼ぶ | |||
<ref name=FittsSeeger1953><pubmed>13084867</pubmed></ref> | <ref name=FittsSeeger1953><pubmed>13084867</pubmed></ref> | ||
<ref name=ProctorReeve1990> | <ref name=ProctorReeve1990> | ||
489行目: | 497行目: | ||
一方、選択反応時間は学習効果により短くなることも報告されている。 | 一方、選択反応時間は学習効果により短くなることも報告されている。 | ||
特に選択肢数が多いと効果が大きいようだが、2肢でも効果は見られる | |||
<ref name=Welford1980ch3 /> | <ref name=Welford1980ch3 /> | ||
<ref name=SteinbachEtal1991><pubmed>1852216</pubmed></ref> | <ref name=SteinbachEtal1991><pubmed>1852216</pubmed></ref> | ||
。 | |||
予め十分な練習を実施したり、適切な休憩を設けたりすることで、実験中の反応時間を安定させることができる。 | 予め十分な練習を実施したり、適切な休憩を設けたりすることで、実験中の反応時間を安定させることができる。 | ||
497行目: | 506行目: | ||
===年齢=== | ===年齢=== | ||
多くの課題で、反応時間は20代に最も短くなる | |||
<ref name=Welford1980ch9 /> | <ref name=Welford1980ch9 /> | ||
<ref name=WilliamsEtal2005><pubmed>15656766</pubmed></ref> | <ref name=WilliamsEtal2005><pubmed>15656766</pubmed></ref> |
回編集