「トランスフォーミング増殖因子β」の版間の差分

28行目: 28行目:


==== 古典的シグナル伝達経路 ====
==== 古典的シグナル伝達経路 ====
細胞内シグナル分子であるSMADタンパク質を介したシグナル伝達経路で、最終的に遺伝子の新規発現につながる<ref name=Derynck2003><pubmed>14534577</pubmed></ref><ref name=Konig2005><pubmed>15781474</pubmed></ref>。
 細胞内シグナル分子であるSMADタンパク質を介したシグナル伝達経路で、最終的に遺伝子の新規発現につながる<ref name=Derynck2003><pubmed>14534577</pubmed></ref><ref name=Konig2005><pubmed>15781474</pubmed></ref>。


 哺乳類ではSMADは8種類あることが知られている。これらのSMADはreceptor-regulated SMAD (R-SMAD)}{common-regulated SMAD (Co-SMAD), inhibitory SMAD (I- SMAD)の3タイプに分けられる。R-SMADはTGF-β受容体によるリン酸化を受けるSMADであり、このタイプにはSMAD1、2、3、5あるいは8(9とも呼ばれる)が含まれる。TGF-βの受容体はセリン/スレオニンキナーゼファミリーの受容体に属するI型受容体とII型受容体のサブユニットで構成されている。I型およびII型受容体はそれぞれ二量体を形成する。TGF-βがII型の受容体に結合すると、I型受容体と会合して四量体を形成し、II型受容体がI型受容体のセリン残基をリン酸化することでI型受容体が活性化し、R-SMADのリン酸化を引き起こす。
 哺乳類ではSMADは8種類あることが知られている。これらのSMADはreceptor-regulated SMAD (R-SMAD)}{common-regulated SMAD (Co-SMAD), inhibitory SMAD (I- SMAD)の3タイプに分けられる。R-SMADはTGF-β受容体によるリン酸化を受けるSMADであり、このタイプにはSMAD1、2、3、5あるいは8(9とも呼ばれる)が含まれる。TGF-βの受容体はセリン/スレオニンキナーゼファミリーの受容体に属するI型受容体とII型受容体のサブユニットで構成されている。I型およびII型受容体はそれぞれ二量体を形成する。TGF-βがII型の受容体に結合すると、I型受容体と会合して四量体を形成し、II型受容体がI型受容体のセリン残基をリン酸化することでI型受容体が活性化し、R-SMADのリン酸化を引き起こす。