17,548
回編集
細編集の要約なし |
細編集の要約なし |
||
| 163行目: | 163行目: | ||
====MOR-KOR ヘテロ二量体 ==== | ====MOR-KOR ヘテロ二量体 ==== | ||
上記の他の二量体と同様に、共免疫沈降法やBRET アッセイによって両受容体のヘテロ二量体形成が示唆されている<ref name=Chakrabarti2010><pubmed>21041644</pubmed></ref><ref name= | 上記の他の二量体と同様に、共免疫沈降法やBRET アッセイによって両受容体のヘテロ二量体形成が示唆されている<ref name=Chakrabarti2010><pubmed>21041644</pubmed></ref><ref name=Wang2005b><pubmed>15778451</pubmed></ref>。その一方で、MOR-KOR は二量体化を示さないとする報告もあり、その生体内での発現については、議論の渦中である<ref name=Jordan1999><pubmed>10385123</pubmed></ref>。発現するとの報告から、MOR-KOR ヘテロ二量体の形成量は性周期と関連すると考えられている<ref name=Chakrabarti2010><pubmed>21041644</pubmed></ref>。またMOR アゴニストに対してユニークな薬理学的特性を示し、ヘテロ二量体発現細胞では、ホモ二量体発現細胞よりも MOR アゴニストの親和性が低下するが、KOR アゴニストのそれらは変わらない<ref name=Wang2005b><pubmed>15778451</pubmed></ref>。ヘテロ二量体の薬理学的性質は、KOR 様の性質が維持されていると考えられている。 | ||
====MOR-NOR ヘテロ二量体 ==== | ====MOR-NOR ヘテロ二量体 ==== | ||
標識受容体を導入した細胞における共免疫沈降法によりNORは MORとヘテロ二量体を形成することが明らかにされている<ref name=Evans2010><pubmed>19887453</pubmed></ref><ref name= | 標識受容体を導入した細胞における共免疫沈降法によりNORは MORとヘテロ二量体を形成することが明らかにされている<ref name=Evans2010><pubmed>19887453</pubmed></ref><ref name=Wang2005a><pubmed>15748148</pubmed></ref>。おそらく細胞内領域のC末端側が相互作用に重要と考えられている<ref name=Wang2005a><pubmed>15748148</pubmed></ref>。加えて最近、蛍光標識された、MOR および NOR特異的リガンドを用いた解析により、両者が相互作用することが証明された<ref name=Bird2022><pubmed>35061679</pubmed></ref>。ヘテロ二量体化することによって、MORアゴニストの結合親和性、アデニル酸シクラーゼ活性、ERK1/2 のリン酸化の程度などが正方向に増加するなど、薬理学的特性に影響する。しかし、二量体化はMORの交差脱感作を誘導し、DAMGOのアデニル酸シクラーゼ阻害作用を弱めたり、ERK1/2リン酸化作用を強めたりする<ref name=Wang2005a><pubmed>15748148</pubmed></ref>。一方で、NOR単独発現細胞とヘテロ二量体発現細胞の間でN/OFQ の作用に有意な変化は認められていない。ただし、Gタンパク質活性化作用の低下傾向と、ERK1/2 リン酸化作用の遅延傾向は示されている<ref name=Bird2022><pubmed>35061679</pubmed></ref>。 | ||
== オピオイド受容体double, triple KOマウス == | == オピオイド受容体double, triple KOマウス == | ||