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[[wikipedia:JA:抗原提示細胞|抗原提示細胞]]は、[[wikipedia:JA:抗原|抗原]]を[[wikipedia:JA:ペプチド|ペプチド]]断片にまで分解し、[[wikipedia:JA:主要組織適合遺伝子複合体|主要組織適合遺伝子複合体]](MHC)分子によって細胞表面に提示する役割をもつ<ref name="ref11"><pubmed> 19381141 </pubmed></ref>。このとき、外来性抗原は、細胞外から[[エンドサイトーシス]]経路で取り込まれ、MHCクラスIIコンパートメントに運ばれる。一方で、一部の内在性抗原もMHCクラスII分子により細胞表面に提示されることが知られていたが、どのようにMHCクラスIIコンパートメントに輸送されているのか、その分子機構は不明であった。最近、細胞質中の内在性抗原はオートファゴソームに取り込まれ、そのオートファゴソームがMHCクラスIIコンパートメントと融合することが報告され、オートファジーが抗原提示に関与していることが示された。また同様に、[[wikipedia:JA:胸腺|胸腺]]での[[wikipedia:JA:自己反応性T細胞|自己反応性T細胞]]除去に必要な自己抗原の提示にも、オートファジー経路が重要であることが明らかになっている。 | [[wikipedia:JA:抗原提示細胞|抗原提示細胞]]は、[[wikipedia:JA:抗原|抗原]]を[[wikipedia:JA:ペプチド|ペプチド]]断片にまで分解し、[[wikipedia:JA:主要組織適合遺伝子複合体|主要組織適合遺伝子複合体]](MHC)分子によって細胞表面に提示する役割をもつ<ref name="ref11"><pubmed> 19381141 </pubmed></ref>。このとき、外来性抗原は、細胞外から[[エンドサイトーシス]]経路で取り込まれ、MHCクラスIIコンパートメントに運ばれる。一方で、一部の内在性抗原もMHCクラスII分子により細胞表面に提示されることが知られていたが、どのようにMHCクラスIIコンパートメントに輸送されているのか、その分子機構は不明であった。最近、細胞質中の内在性抗原はオートファゴソームに取り込まれ、そのオートファゴソームがMHCクラスIIコンパートメントと融合することが報告され、オートファジーが抗原提示に関与していることが示された。また同様に、[[wikipedia:JA:胸腺|胸腺]]での[[wikipedia:JA:自己反応性T細胞|自己反応性T細胞]]除去に必要な自己抗原の提示にも、オートファジー経路が重要であることが明らかになっている。 | ||
=== がんにおけるオートファジーの二面性<ref><pubmed> 20056400 </pubmed></ref> | === がんにおけるオートファジーの二面性=== | ||
オートファジーの細胞内品質管理における役割と、栄養(アミノ酸)供給システムとしての役割が、[[wikipedia:JA:がん|がん]]においては相反する作用を発揮する<ref><pubmed> 20056400 </pubmed></ref>。一部のオートファジー不全マウスでは、がんの発症率や腫瘍形成能が増加することから、がん初期段階では、オートファジーはがん抑制的に機能している。オートファジーを介した異常タンパク質や異常ミトコンドリアの分解により、酸化ストレスの減少、慢性[[wikipedia:JA:炎症|炎症]]の抑制、および二次的ながん発症を抑制していると考えられている。一方で、抗がん剤投与時にオートファジー阻害剤を同時投与すると、がん抑制効果が増強される。がん細胞が増殖する段階においては、栄養が枯渇した条件下における生存をオートファジーが促していると考えられている。 | |||
=== クローン病とAtg16L1<ref name="ref11" />=== | === クローン病とAtg16L1<ref name="ref11" />=== | ||