79
回編集
Soheisakata (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
Soheisakata (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
||
109行目: | 109行目: | ||
”遅い”不活性化については”速い”不活性化ほど分子機構は明瞭ではない。[[ヒト]]の[[wikipedia:JA:骨格筋|骨格筋]]や[[wikipedia:JA:心筋|心筋]]の興奮性の異常を示すいくつかの遺伝病の研究により、”遅い”不活性化の異常を引き起こすアミノ酸変異が見つかっている。変異は複数の部分に渡っているため、”遅い”不活性化の過程には複数のドメインが関与していると考えられる。 | ”遅い”不活性化については”速い”不活性化ほど分子機構は明瞭ではない。[[ヒト]]の[[wikipedia:JA:骨格筋|骨格筋]]や[[wikipedia:JA:心筋|心筋]]の興奮性の異常を示すいくつかの遺伝病の研究により、”遅い”不活性化の異常を引き起こすアミノ酸変異が見つかっている。変異は複数の部分に渡っているため、”遅い”不活性化の過程には複数のドメインが関与していると考えられる。 | ||
通常、Navチャネルは不活性化が速いため、一過的にしか内向き電流は流れないが、[[小脳]]の[[プルキンエ細胞]]をはじめ多くの[[神経細胞]]では、長時間にわたり不活性化せずに開き続ける持続的な内向き電流が存在する([[持続性ナトリウム電流]])。また、これに加えて小脳のプルキンエ細胞などでは、不活性化状態ののち再開口が起こりやすく(Resurgent電流)、これにより[[スパイク]]の後に[[脱分極]]が引き起こされることが知られているが、その分子メカニズムについては十分には分かっていない。 | 通常、Navチャネルは不活性化が速いため、一過的にしか内向き電流は流れないが、[[小脳]]の[[プルキンエ細胞]]をはじめ多くの[[神経細胞]]では、長時間にわたり不活性化せずに開き続ける持続的な内向き電流が存在する([[持続性ナトリウム電流]])。また、これに加えて小脳のプルキンエ細胞などでは、不活性化状態ののち再開口が起こりやすく(Resurgent電流)、これにより[[スパイク]]の後に[[脱分極]]が引き起こされることが知られているが、その分子メカニズムについては十分には分かっていない。 | ||
== 薬剤による機能の修飾 == | == 薬剤による機能の修飾 == | ||
Navチャネルに特異的に結合し、その性質を変える種々の薬剤が知られている(表参照)。最も早く発見されたのは、フグ毒として知られているテトロドトキシン<ref><pubmed>14426011</pubmed></ref><ref><pubmed>14155438</pubmed></ref>で、Navチャネルのポアドメインに結合して、イオン透過を阻害する。[[&beta-サソリ毒]]はNavチャネルの電位センサー部分に結合し、不活性化を阻害する。また、[[アコニチニン]](トリカブトの成分)、[[グラヤノトキシン]]、[[ベラトリジン]]、[[バトラコトキシン]]は[[wikipedia:ja:細胞膜|細胞膜]]を透過し、細胞の内側からNavチャネルに結合して、Navチャネルが開いている時間を長くする作用がある。また[[局所麻酔薬]]として知られている[[リドカイン]]は不活性化状態を安定化し電流量を減らす作用がある。 | Navチャネルに特異的に結合し、その性質を変える種々の薬剤が知られている(表参照)。最も早く発見されたのは、フグ毒として知られているテトロドトキシン<ref><pubmed>14426011</pubmed></ref><ref><pubmed>14155438</pubmed></ref>で、Navチャネルのポアドメインに結合して、イオン透過を阻害する。[[β-サソリ毒]]はNavチャネルの電位センサー部分に結合し、不活性化を阻害する。また、[[アコニチニン]](トリカブトの成分)、[[グラヤノトキシン]]、[[ベラトリジン]]、[[バトラコトキシン]]は[[wikipedia:ja:細胞膜|細胞膜]]を透過し、細胞の内側からNavチャネルに結合して、Navチャネルが開いている時間を長くする作用がある。また[[局所麻酔薬]]として知られている[[リドカイン]]は不活性化状態を安定化し電流量を減らす作用がある。 | ||
== 転写の制御 == | == 転写の制御 == |
回編集