「発達障害」の版間の差分

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 発達障害とは、主に乳幼児期あるいは小児期にかけてその特性が顕在化する発達の遅れまたは偏りであり、主に先天性の中枢神経系の機能障害を原因とする。障害される機能は、多くの症例で、[[対人認知]]、[[言語]]、[[視空間技能]]および/または[[協調運動]]などの[[高次脳機能]]が含まれる。成長するにつれて、これらの症状は次第に軽快するのが通常であるが、成人にいたってもさまざまな程度の機能障害が残存することが多い。通常、遅滞や機能障害は顕在化する以前から存在するもので、完全に正常な発達期間が先行することはないと考えられる。  
 発達障害とは、主に乳幼児期あるいは小児期にかけてその特性が顕在化する発達の遅れまたは偏りであり、主に先天性の中枢神経系の機能障害を原因とする。障害される機能は、多くの症例で、[[対人認知]]、[[言語]]、[[視空間技能]]および/または[[協調運動]]などの[[高次脳機能]]が含まれる。成長するにつれて、これらの症状は次第に軽快するのが通常であるが、成人にいたってもさまざまな程度の機能障害が残存することが多い。通常、遅滞や機能障害は顕在化する以前から存在するもので、完全に正常な発達期間が先行することはないと考えられる。  


 発達障害は、症状の特徴によりいくつかに分類され、広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders: PDDあるいは自閉症スペクトラム障害 Autism Spectrum Disorders: ASD)、学習障害(Learning DisordersまたはLearning Disabilities: LD)、注意欠如/多動性障害(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder: AD/HD)、[[運動能力障害]]、[[コミュニケーション(会話および言語)障害]]、知的障害、[[チック]]障害などが含まれる。これらの障害は通常、男児で女児に比べて多くみられる。いくつかの発達障害を合併することもあり、身体疾患や精神疾患を伴うこともある。とくに、環境とのミスマッチによって精神症状の併発や増悪を引き起こすこともある。同じ診断名でも、発達の状況や年齢、置かれた環境などによって状態像は多様で、特性に応じた個別の支援の必要性が提唱されている。
 発達障害は、症状の特徴によりいくつかに分類され、広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders: PDDあるいは自閉症スペクトラム障害 Autism Spectrum Disorders: ASD)、学習障害(Learning DisordersまたはLearning Disabilities: LD)、注意欠如/多動性障害(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder: AD/HD)、[[運動能力障害]]、[[コミュニケーション障害|コミュニケーション(会話および言語)障害]]、知的障害、[[チック]]障害などが含まれる。これらの障害は通常、男児で女児に比べて多くみられる。いくつかの発達障害を合併することもあり、身体疾患や[[精神疾患]]を伴うこともある。とくに、環境とのミスマッチによって精神症状の併発や増悪を引き起こすこともある。同じ診断名でも、発達の状況や年齢、置かれた環境などによって状態像は多様で、特性に応じた個別の支援の必要性が提唱されている。


== 発達障害概念の歴史的変遷  ==
== 発達障害概念の歴史的変遷  ==

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