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Yukoyotsumoto (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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=== '''分類''' === | === '''分類''' === | ||
メタ認知の概念の呼び方や定義について、研究者間で必ずしも一致しているわけではないが | メタ認知の概念の呼び方や定義について、研究者間で必ずしも一致しているわけではないが<ref>'''なまえ'''<br>タイトル. <br>''出版社 ''とし</ref>、「認知についての知識」といった知識的側面と、「認知のプロセスや状態のモニタリングおよびコントロール」といった活動的側面とにおおきくわかれるという点では、研究者間の見解はほぼ一致しているため、以下のように分類できる<ref>'''市川伸一編'''<br>認知心理学4 思考 <br>''東京大学出版会 ''1996</ref>。 | ||
*'''メタ認知的知識(metacognitive knowledge/awareness)'''<br> | *'''メタ認知的知識(metacognitive knowledge/awareness)'''<br> | ||
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= '''メタ認知能力の発達''' = | = '''メタ認知能力の発達''' = | ||
メタ認知能力と言語能力との結びつきは強く、言語能力が未発達である新生児、乳児にはメタ認知能力は備わっていないと考えられてきた。メタ認知能力の発達は行動主体としての自己に気付くことから始まり、5、6歳頃から周囲の状況と自己の能力を考慮して起こりうる事態を予測するなど、いくつかのメタ認知的機能について成人と同様の能力が有されていることがわかっている<ref>''' J H Fravell '''<br>Metacognition and cognitive monitoring: A new area of cognitive-developmental inquiry. <br>''The American psychologist. ''1979, 34(10);906-911</ref><ref>''' K Lockl, W Schneider '''<br>Precursors of metamemory in young children: the role of theory of mind and metacognitive vocabulary. <br>''Metacognition and learning. ''2006, 1(1);15-31</ref><ref><pubmed> 17328698 </pubmed> | メタ認知能力と言語能力との結びつきは強く、言語能力が未発達である新生児、乳児にはメタ認知能力は備わっていないと考えられてきた。メタ認知能力の発達は行動主体としての自己に気付くことから始まり、5、6歳頃から周囲の状況と自己の能力を考慮して起こりうる事態を予測するなど、いくつかのメタ認知的機能について成人と同様の能力が有されていることがわかっている<ref>''' J H Fravell '''<br>Metacognition and cognitive monitoring: A new area of cognitive-developmental inquiry. <br>''The American psychologist. ''1979, 34(10);906-911</ref><ref>''' K Lockl, W Schneider '''<br>Precursors of metamemory in young children: the role of theory of mind and metacognitive vocabulary. <br>''Metacognition and learning. ''2006, 1(1);15-31</ref><ref><pubmed> 17328698 </pubmed></ref>。<br> | ||
=== 他の動物におけるメタ認知能力 === | === 他の動物におけるメタ認知能力 === | ||
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発達心理学、教育心理学の分野では、主に子供の課題遂行能力や学習能力の向上という視点から研究が行われてきた。[[wikipedia:ja:ピアジェ]] (Piaget) を中心とする自己制御 (self-regulation) 研究では、人間は「能動的に」調整あるいは学習すると考えられてきた<ref name=ref7>''' H Otani, Robert L Wilner JR. '''<br>Metacognition: New Issues and Approaches Guest Editor's Introduction. <br>''The Journal of General Psychology. ''2005, 132(4);329-334</ref>。また [[wikipedia:ja:レフ・ヴィゴツキー]] (Vygotsky) は、発達を言葉の発達という観点からメタ認知をみた。ヴィゴツキーの理論では、子供はまず他者に対して言葉を使う(外言)が、成長に従って自らの思考や行動を内言によって調整できることを示し、この外言から内言への移行こそが自らの思考への気づきの表れであるとした。 | 発達心理学、教育心理学の分野では、主に子供の課題遂行能力や学習能力の向上という視点から研究が行われてきた。[[wikipedia:ja:ピアジェ]] (Piaget) を中心とする自己制御 (self-regulation) 研究では、人間は「能動的に」調整あるいは学習すると考えられてきた<ref name=ref7>''' H Otani, Robert L Wilner JR. '''<br>Metacognition: New Issues and Approaches Guest Editor's Introduction. <br>''The Journal of General Psychology. ''2005, 132(4);329-334</ref>。また [[wikipedia:ja:レフ・ヴィゴツキー]] (Vygotsky) は、発達を言葉の発達という観点からメタ認知をみた。ヴィゴツキーの理論では、子供はまず他者に対して言葉を使う(外言)が、成長に従って自らの思考や行動を内言によって調整できることを示し、この外言から内言への移行こそが自らの思考への気づきの表れであるとした。 | ||
メタ認知は自らの思考への気づきであることから、心理療法にも利用されている。[[wikipedia:ja:認知療法]]は、情緒障害を思考の障害として認識し、それを修正することにより改善をはかるものである。 | |||
実験心理学ではモニタリング(自身の記憶に関する判断)と制御(判断を行動に結びつける)の間のメタ認知の質的な違いに注目した研究が多い。認知神経科学においてメタ認知的なモニタリングと制御は、他の皮質領野からの入力やフィードバックを受けた前頭前野における機能と考えられている。[[wikipedia:ja:人工知能]]<ref>''' M T Cox'''<br>Metacognition in computation: A selected research review.<br>''Artificial Intelligence. ''2005, 169(2);104-141</ref>や[[wikipedia:ja:モデリング]]の分野においても、メタ認知研究が行われている。<br> | 実験心理学ではモニタリング(自身の記憶に関する判断)と制御(判断を行動に結びつける)の間のメタ認知の質的な違いに注目した研究が多い。認知神経科学においてメタ認知的なモニタリングと制御は、他の皮質領野からの入力やフィードバックを受けた前頭前野における機能と考えられている。[[wikipedia:ja:人工知能]]<ref>''' M T Cox'''<br>Metacognition in computation: A selected research review.<br>''Artificial Intelligence. ''2005, 169(2);104-141</ref>や[[wikipedia:ja:モデリング]]の分野においても、メタ認知研究が行われている。<br> |
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