「エレベーター運動」の版間の差分

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[[ファイル:INM.jpg|thumb|right|400px| '''図 神経上皮(マウス網膜)におけるエレベーター運動・INMの例'''<br>散発的に蛍光色素([[DiI]])を施してラベルした単一神経前駆細胞(左端のタイムポイント)が頂端面に核・細胞体を移動させ,分裂した(2番目のタイムポイント)。誕生した娘細胞それぞれが,まず基底側(画面の上)に向けて,そしてやがてアピカル面にまで核・細胞体を移動させる様子がわかる。<ref><pubmed>12828683</pubmed></ref>に発表したケースを改変して掲載。パネルの縦辺の長さが120マイクロメートル。]]
[[ファイル:INM.jpg|thumb|right|400px| '''図 神経上皮(マウス網膜)におけるエレベーター運動・INMの例'''<br>散発的に蛍光色素([[DiI]])を施してラベルした単一神経前駆細胞(左端のタイムポイント)が頂端面に核・細胞体を移動させ,分裂した(2番目のタイムポイント)。誕生した娘細胞それぞれが,まず基底側(画面の上)に向けて,そしてやがてアピカル面にまで核・細胞体を移動させる様子がわかる。<ref><pubmed>12828683</pubmed></ref>に発表したケースを改変して掲載。パネルの縦辺の長さが120マイクロメートル。]]


 中枢神経系の形成過程において、原基である[[神経管]]・[[脳胞]]の壁には、神経前駆細胞が満ちている。発生初期、まだニューロンが誕生していないステージにおいては、[[脳]]・[[脊髄]]の原基の壁は、神経上皮(neuroepithelium)と組織学的に呼称されるのだが、壁を構成する細胞([[神経上皮細胞]]neuroepithelial cellsと称される)は未分化な神経前駆細胞である。
 中枢神経系の形成過程において、原基である[[神経管]]・[[脳胞]]の壁には、神経前駆細胞が満ちている。発生初期、まだニューロンが誕生していないステージにおいては、[[脳]]・[[脊髄]]の原基の壁は、神経上皮(neuroepithelium)と組織学的に呼称されるのだが、壁を構成する細胞([[神経上皮細胞]] neuroepithelial cellsと称される)は未分化な神経前駆細胞である。


 神経上皮では、壁の最内面(頂端 [apical] 面または脳室面)において近隣の神経上皮細胞群が[[ジャンクション]]によって接着し、面の維持に貢献している。また、神経前駆細胞が頂端面から壁の最外面(基底 [basal] 面または脳膜面)までをつなぐ形態をしていることも「上皮」との呼称の根拠である。一般的な上皮に対して神経上皮を際立たせている特徴は、それを構成する神経上皮細胞の各々が細長く伸びた(数十マイクロメートル〜百マイクロメートル)形態をしているということである(図参照)。
 神経上皮では、壁の最内面(頂端 [apical] 面または脳室面)において近隣の神経上皮細胞群が[[ジャンクション]]によって接着し、面の維持に貢献している。また、神経前駆細胞が頂端面から壁の最外面(基底 [basal] 面または脳膜面)までをつなぐ形態をしていることも「上皮」との呼称の根拠である。一般的な上皮に対して神経上皮を際立たせている特徴は、それを構成する神経上皮細胞の各々が細長く伸びた(数十マイクロメートル〜百マイクロメートル)形態をしているということである(図参照)。

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