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=== 脱パルミトイル化酵素 === | === 脱パルミトイル化酵素 === | ||
これまでタンパク質パルミトイルチオエステラーゼ(Palmitoyl-protein thioesterase (PPT), 脱パルミトイル化酵素)として[[wikipedia:LYPLA1|acyl protein thioesterase 1]] (APT1)と[[wikipedia:PPT1|PPT1]]が報告されている<ref><pubmed>9624183</pubmed></ref><ref><pubmed>7916016</pubmed></ref>。ATP1はラットの[[wikipedia:ja:肝臓|肝臓]]からリゾホスフォリパーゼとして同定され、その後RasやeNOSに対する脱パルミトイル化活性が見出された。PPT1(Palmitoyl-protein thioesterase 1)はウシの[[脳]]からH-Rasを脱パルミトイル化する酵素として同定された。APT1は[[wikipedia:ja:細胞質|細胞質]] | これまでタンパク質パルミトイルチオエステラーゼ(Palmitoyl-protein thioesterase (PPT), 脱パルミトイル化酵素)として[[wikipedia:LYPLA1|acyl protein thioesterase 1]] (APT1)と[[wikipedia:PPT1|PPT1]]が報告されている<ref><pubmed>9624183</pubmed></ref><ref><pubmed>7916016</pubmed></ref>。ATP1はラットの[[wikipedia:ja:肝臓|肝臓]]からリゾホスフォリパーゼとして同定され、その後RasやeNOSに対する脱パルミトイル化活性が見出された。PPT1(Palmitoyl-protein thioesterase 1)はウシの[[脳]]からH-Rasを脱パルミトイル化する酵素として同定された。APT1は[[wikipedia:ja:細胞質|細胞質]]タンパク質である一方、PPT1は膜タンパク質で管腔側に酵素活性部位があると示唆されており、細胞質に存在するパルミトイル化タンパク質の脱パルミトイル化酵素として機能するかに関しては議論の余地がある。APT1、PPT1のいずれ(あるいはそのファミリー分子APT2, PPT2)が、細胞膜あるいは細胞質内膜直下に存在する多くのパルミトイル化タンパク質に広く作用する酵素であるのかについては、まだ不明である。また、APT1、PPT1で脱パルミトイル化されない''S''-パルミトイル化タンパク質も多数存在する。PATの多様性からPPTも相同性の高いファミリーが担っている可能性が予測されるが、現時点では不明である。 | ||
=== MBOAT アシルトランスフェラーゼファミリー === | === MBOAT アシルトランスフェラーゼファミリー === | ||
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=== 概説 === | === 概説 === | ||
細胞質タンパク質は合成直後にゴルジ膜に存在するPATにより''S''-パルミトイル化され、疎水性が著しく上昇し、細胞膜近傍へ輸送され、細胞膜に繋ぎとめられると考えられる(図3A)。PPTにより脱パルミトイル化されると細胞膜から解放され、細胞質あるいはゴルジ体表面へと輸送される。最近、生細胞イメージングにより、H-Ras やGα<sub>q</sub>などの''S''-パルミトイル化タンパク質が、パルミトイルサイクルに応じて、細胞膜とゴルジ体の間をシャトリングする現象が明らかになった<ref><pubmed>15705808</pubmed></ref><ref><pubmed>19001095</pubmed></ref>。 Gα<sub>q</sub>の''S''-パルミトイル化酵素であるDHHC3はゴルジ体膜上で機能しており、PATの局在部位と活性がシャトリングの場所と速度を規定すると考えられる<sup>[18]</sup>。 | |||
膜タンパク質においても''S''-パルミトイル化はゴルジ体から細胞膜への輸送、脂質ラフトへの側方輸送(図3B-a)、タンパク質―タンパク質相互作用(図3B-b,c)、コンフォメーション変化によるタンパク質の活性制御において重要であると考えられている。 | 膜タンパク質においても''S''-パルミトイル化はゴルジ体から細胞膜への輸送、脂質ラフトへの側方輸送(図3B-a)、タンパク質―タンパク質相互作用(図3B-b,c)、コンフォメーション変化によるタンパク質の活性制御において重要であると考えられている。 |
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