「せん妄」の版間の差分

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 せん妄が発症したら、まずは原因を可能な限り除去する。予防手段と共通の環境調整、日中の覚醒状態の維持などに加え、医療や看護に支障が大きい場合は対症療法としての薬物療法を行う。[[ベンゾジアゼピン]]系の睡眠薬や抗不安薬は増悪の恐れがあるので使用を控える。
 せん妄が発症したら、まずは原因を可能な限り除去する。予防手段と共通の環境調整、日中の覚醒状態の維持などに加え、医療や看護に支障が大きい場合は対症療法としての薬物療法を行う。[[ベンゾジアゼピン]]系の睡眠薬や抗不安薬は増悪の恐れがあるので使用を控える。


 使用する薬物としては、[[非定型精神病薬]]である[[リスペリドン]]、[[オランザピン]]、[[クエチアピン]]、抗うつ薬の[[ミアンセリン]]などの内服、抗精神病薬[[ハロペリドール]]の静脈内投与などである。
 使用する薬物としては、[[非定型抗精神病薬]]である[[リスペリドン]]、[[オランザピン]]、[[クエチアピン]]、抗うつ薬の[[ミアンセリン]]などの内服、抗精神病薬[[ハロペリドール]]の静脈内投与などである。


 使用に際しては、禁忌、副作用に十分留意しつつ少量より開始し、改善傾向を示したら数日~2週間かけて漸減、中止する。なお、患者本人の判断力は失われているので、家族に副作用の可能性や保険適応外であることを十分説明し、同意を得る必要がある。  
 使用に際しては、禁忌、副作用に十分留意しつつ少量より開始し、改善傾向を示したら数日~2週間かけて漸減、中止する。なお、患者本人の判断力は失われているので、家族に副作用の可能性や保険適応外であることを十分説明し、同意を得る必要がある。  


 回復後、本人はせん妄状態のときのことを殆ど覚えていないので、十分な説明、不安の解消を図る。看護のリスクマネジメントの上でもせん妄対策は重要で、不要なルート類は可能な限り抜去し、ベッド柵を高くする、転倒防止マットを使用するなどで転倒・転落を未然に予防する。[[wikipedia:ja:点滴|点滴]]や各種チューブ類の抜去対策としてやむを得ずミトンなど最小限の拘束が必要なこともある。せん妄への対策は精神科医、神経内科医、専門看護師などによるチーム医療で行うべきであり、病院内にせん妄対策チームの設置が望まれる。  
 回復後、本人はせん妄状態のときのことを殆ど覚えていないので、十分な説明、不安の解消を図る。看護のリスクマネジメントの上でもせん妄対策は重要で、不要なルート類は可能な限り抜去し、ベッド柵を高くする、転倒防止マットを使用するなどで転倒・転落を未然に予防する。[[wikipedia:ja:点滴|点滴]]や各種チューブ類の抜去対策としてやむを得ずミトンなど最小限の拘束が必要なこともある。せん妄への対策は精神科医、神経内科医、専門看護師などによるチーム医療で行うべきであり、病院内にせん妄対策チームの設置が望まれる。


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