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同義語:III群線維とIV群線維、細径有髄神経と無髄神経 | 同義語:III群線維とIV群線維、細径有髄神経と無髄神経 | ||
A-δ線維は感覚性の細い有髄神経であり、筋についてはIII群線維ともいう | A-δ線維は感覚性の細い有髄神経であり、筋についてはIII群線維ともいう<ref name=ref1><pubmed>18865009</pubmed></ref>。伝導速度は大型の動物では2.5 または3 m/sから25または30 m/sであるが、ラットでは最速の伝導速度を12 m/s<ref name=ref2><pubmed>1770443</pubmed></ref>としている文献もあれば20 m/s<ref name=ref3><pubmed></pubmed></ref>としているものもある。C線維は無髄神経であり、伝導速度は2.5 m/s以下である(ラットでは2 m/s や1.3 m/sが使われる)。A-δ線維とC線維は区別することが難しい場合があり、また機能的に重なっている部分もあるので、両者を合わせて細径線維ということもある。C-線維には感覚神経(求心性神経)と交感神経節後線維が含まれる(この項では交感神経節後線維についての説明は省略する)。筋求心神経の無髄神経はIV群線維とも呼ばれる<ref name=ref1 />。その数(交感神経節後線維を含む)は筋では運動神経も含む全有髄神経線維の2倍にもなる<ref name=ref4><pubmed>5802932</pubmed></ref>。A-δ線維はA線維の中でも少ないので、C線維と比較すると圧倒的に少ない。 | ||
A-δ線維の終末には痛みおよび冷感覚情報を伝える感覚受容器(それぞれ侵害受容器、冷受容器)がある。ただし、ラットでは冷受容器は主として後述のC線維である。 | A-δ線維の終末には痛みおよび冷感覚情報を伝える感覚受容器(それぞれ侵害受容器、冷受容器)がある。ただし、ラットでは冷受容器は主として後述のC線維である。 | ||
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A-δ線維の受容器もC-線維の受容器も感覚終末は特別な小体構造を造らない自由神経終末である。それらの細胞体は後根神経節(または三叉神経節)に存在し、C-線維は小型で(直径<30 μm)、A-δ線維はそれよりやや大きい(<35 μm)が、両者はかなりオーバーラップする。脊髄内での終枝は、皮膚A-δ線維は後角第I層とV層に、C-線維は第II層に主として分布する。筋C線維はI、II層に、内臓C線維は主としてI、IIに終枝するが、V、X層にも見られる。 | A-δ線維の受容器もC-線維の受容器も感覚終末は特別な小体構造を造らない自由神経終末である。それらの細胞体は後根神経節(または三叉神経節)に存在し、C-線維は小型で(直径<30 μm)、A-δ線維はそれよりやや大きい(<35 μm)が、両者はかなりオーバーラップする。脊髄内での終枝は、皮膚A-δ線維は後角第I層とV層に、C-線維は第II層に主として分布する。筋C線維はI、II層に、内臓C線維は主としてI、IIに終枝するが、V、X層にも見られる。 | ||
伝導速度以外にも軸索の伝導特性がA-δ線維とC-線維で異なり、さらにC- | 伝導速度以外にも軸索の伝導特性がA-δ線維とC-線維で異なり、さらにC-線維においても受容器タイプによって異なることが示された<ref name=ref5><pubmed></pubmed></ref>。軸索を繰り返し電気刺激すると、C-線維の侵害受容器の多くは20%程度(刺激条件により異なる)伝導速度が遅くなるのに対し、機械非感受性の受容器は30%という大きな遅延を示す。これに対し、冷受容器、C-線維低閾値機械受容器や交感神経節後線維は遅延が少ない(10%程度)。A-δ線維についての報告は少ないが、遅延ではなくスピードアップが見られている<ref name=ref6><pubmed></pubmed></ref>。この特性は神経線維の受容器タイプを知るうえで役に立つ。また、遅延は利用可能なNaV1.8という電位依存性Naチャネルの数によると報告されており<ref name=ref7><pubmed>8809788</pubmed> </ref><ref name=ref8><pubmed>19913997</pubmed></ref>、痛みに関連する受容器の軸索が特に強い伝導遅延を示すことは、NaV1.8がC-線維に特異的に発現することと関連している。 | ||
== 関連項目 == | == 関連項目 == |