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Keisetsushima (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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== 情動 == | == 情動 == | ||
ヒトの前帯状皮質膝下部(sACC)、pACC、およびdACCは、それぞれ異なる情動に関わる(Vogt, 2005)。悲しみ・喜びの表情を提示される課題において、sACCは悲しい表情の提示の際、pACCは喜ばしい表情の提示の際、活動を高める(George et al., 1995)。dACCは、恐れの表情あるいは恐れの声の提示を受けて、活動を高める(Dolan et al., 2001) | ヒトの前帯状皮質膝下部(sACC)、pACC、およびdACCは、それぞれ異なる情動に関わる(Vogt, 2005)。悲しみ・喜びの表情を提示される課題において、sACCは悲しい表情の提示の際、pACCは喜ばしい表情の提示の際、活動を高める(George et al., 1995)。dACCは、恐れの表情あるいは恐れの声の提示を受けて、活動を高める(Dolan et al., 2001) | ||
== 痛み == | |||
ACCは痛覚にも関わる。ヒトのACCにおいては、経皮温度刺激による痛覚を反映する活動はdACCを中心にみられ、内臓伸展刺激による痛覚を反映する活動はpACCを中心にみられる(Vogt, 2005)。さらにヒトのACCは、他人が経験する痛みに関連して活動を示す(Keysers et al., 2010)。例えば、ヒトのACCは、他人が痛みを経験していることを知らせる手がかり刺激を目にする際、痛みを経験する他人の顔を目にする際、あるいは痛々しい状態の手あるいは足を目にする際に、活動を高める。またヒトのdACCは、社会的疎外の経験で生じる不快感(社会的痛み)を反映する活動を示す(Eisenberger, 2012)。 | |||
== まとめ == | |||
以上をまとめると、ACCは特にヒトにおいて、担う機能の違いから、行動モニタリングさらには行動調節に関わるdACC、社会的認知に関わるpACC、および情動に関わるsACCの3領域に、大きく分けることができる。 | |||
執筆者:岩田 潤一、嶋 啓節、虫明 元 | 執筆者:岩田 潤一、嶋 啓節、虫明 元 |
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