9,444
回編集
細編集の要約なし |
細編集の要約なし |
||
1行目: | 1行目: | ||
<div align="right"> | |||
<font size="+1">[http://researchmap.jp/sakurai-2-takeshi/ 櫻井 武]</font><br> | |||
''京都大学''<br> | |||
DOI XXXX/XXXX 原稿受付日:2013年3月2日 原稿完成日:2013年3月25日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/noriko1128 大隅 典子](東北大学 大学院医学系研究科 附属創生応用医学研究センター 脳神経科学コアセンター 発生発達神経科学分野)<br> | |||
</div> | |||
英語名:topographic mapping 独:topografische Karte 仏:carte topographique | 英語名:topographic mapping 独:topografische Karte 仏:carte topographique | ||
同義語:神経地図形成 | 同義語:神経地図形成 | ||
{{box|text= | |||
トポグラフィックマップとはもともと「地形図」という意味であるが、脳科学においてはトポグラフィックマッピングは「神経地図形成」とも訳され、[[神経細胞]]の[[投射]]が地形図を作製するように特異的な配置をなす過程をいう。例えば感覚系において、ある特定の身体の位置からの情報を担う神経の[[軸索]]が、ある特定の配置をその系路内で取り、脳内のある特定の標的に到達した際に、その投射が標的領域内で特定の配置を取る過程のことである。トポグラフィクマッピングは[[感覚系]]での情報処理の基本となる構造を形成するものである。また、脳の[[運動野]]のある位置に存在する神経細胞からの軸索がある特定の身体の位置に投射する場合、脳内の運動野でトポグラフィックな分布があるといえる。ここでは、トポグラフィックマップの神経機能における意義とその分子機構を歴史的な経緯をふまえて感覚系、特に[[視覚]]系と[[嗅覚]]系を中心にまとめる。 | トポグラフィックマップとはもともと「地形図」という意味であるが、脳科学においてはトポグラフィックマッピングは「神経地図形成」とも訳され、[[神経細胞]]の[[投射]]が地形図を作製するように特異的な配置をなす過程をいう。例えば感覚系において、ある特定の身体の位置からの情報を担う神経の[[軸索]]が、ある特定の配置をその系路内で取り、脳内のある特定の標的に到達した際に、その投射が標的領域内で特定の配置を取る過程のことである。トポグラフィクマッピングは[[感覚系]]での情報処理の基本となる構造を形成するものである。また、脳の[[運動野]]のある位置に存在する神経細胞からの軸索がある特定の身体の位置に投射する場合、脳内の運動野でトポグラフィックな分布があるといえる。ここでは、トポグラフィックマップの神経機能における意義とその分子機構を歴史的な経緯をふまえて感覚系、特に[[視覚]]系と[[嗅覚]]系を中心にまとめる。 | ||
}} | |||
== トポグラフィックマッピングとその意義 == | == トポグラフィックマッピングとその意義 == | ||
89行目: | 98行目: | ||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
<references /> | <references /> | ||