197
回編集
Hirokitanaka (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
Hirokitanaka (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
||
9行目: | 9行目: | ||
個体は、周囲の環境あるいは体内の変化を刺激としてとらえ知覚することができる。これは、外界刺激の物理エネルギーが感覚受容器における電気信号へと変換された刺激情報が[[大脳皮質]][[感覚野]]を含む感覚処理経路に沿って伝達されることによる。このとき経路の個々の細胞は自身の電気活動を変化させることで刺激情報の処理伝達を行うが、末梢の特定の部位に生じた刺激にしか反応できない。この限られた末梢部位の範囲を細胞の受容野とよぶ。受容野の位置は細胞により異なる。[[視覚]]の場合は、細胞が[[wikipedia:JA:光|光]]刺激に反応しうる[[網膜]]の範囲(あるいはその部位に対応する視野範囲)を意味し、[[体性感覚]]では、細胞が触圧などの刺激に反応しうる体部位の範囲を指す。[[聴覚]]においては感覚受容細胞である[[有毛細胞]]は、音の空間位置に対応した反応を示さないが、ある種の動物(例:[[wikipedia:ja:メンフクロウ|メンフクロウ]])の聴覚中枢には音源の方向に感受性を持つ細胞が存在する。 | 個体は、周囲の環境あるいは体内の変化を刺激としてとらえ知覚することができる。これは、外界刺激の物理エネルギーが感覚受容器における電気信号へと変換された刺激情報が[[大脳皮質]][[感覚野]]を含む感覚処理経路に沿って伝達されることによる。このとき経路の個々の細胞は自身の電気活動を変化させることで刺激情報の処理伝達を行うが、末梢の特定の部位に生じた刺激にしか反応できない。この限られた末梢部位の範囲を細胞の受容野とよぶ。受容野の位置は細胞により異なる。[[視覚]]の場合は、細胞が[[wikipedia:JA:光|光]]刺激に反応しうる[[網膜]]の範囲(あるいはその部位に対応する視野範囲)を意味し、[[体性感覚]]では、細胞が触圧などの刺激に反応しうる体部位の範囲を指す。[[聴覚]]においては感覚受容細胞である[[有毛細胞]]は、音の空間位置に対応した反応を示さないが、ある種の動物(例:[[wikipedia:ja:メンフクロウ|メンフクロウ]])の聴覚中枢には音源の方向に感受性を持つ細胞が存在する。 | ||
受容野の最初の明確な定義は[[wikipedia:ja:ハルダン・ケファー・ハートライン|H. K. Hartline]] (1940) による<ref name="ref1">'''H. K. Hartline '''<br>The receptive fields of optic nerve fibers. <br>''Am. J. Physiol.'': 1940, 130; 690-699.</ref> | 受容野の最初の明確な定義は[[wikipedia:ja:ハルダン・ケファー・ハートライン|H. K. Hartline]] (1940) による<ref name="ref1">'''H. K. Hartline '''<br>The receptive fields of optic nerve fibers. <br>''Am. J. Physiol.'': 1940, 130; 690-699.</ref>。彼は、スポット光にたいするカブトガニ単一視神経繊維や[[wikipedia:JA:カエル|カエル]][[網膜神経節細胞]]の活動を調べたところ、網膜のある範囲に光を照射したとき、あるいは光を取り除いたときにのみ細胞が反応することを見いだし、この範囲を受容野と定義した。 | ||
=== 感覚経路と受容野構造の階層性 === | === 感覚経路と受容野構造の階層性 === |
回編集