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<font size="+1">[http://researchmap.jp/nishihara 西原 秀典 | <font size="+1">[http://researchmap.jp/nishihara 西原 秀典]</font><br> | ||
''東京工業大学 生命理工学研究科''<br> | ''東京工業大学 生命理工学研究科''<br> | ||
<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0008506 岡田 典弘]</font><br> | |||
''公益財団法人国際科学振興財団''<br> | |||
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2013年8月12日 原稿完成日:2013年9月2日<br> | |||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/noriko1128 大隅 典子](東北大学 大学院医学系研究科 附属創生応用医学研究センター [[脳神経]]科学コアセンター 発生発達神経科学分野)<br> | 担当編集委員:[http://researchmap.jp/noriko1128 大隅 典子](東北大学 大学院医学系研究科 附属創生応用医学研究センター [[脳神経]]科学コアセンター 発生発達神経科学分野)<br> | ||
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LINEは内部に逆転写酵素とエンドヌクレアーゼをコードする。LINEタンパク質はLINE RNAの3’末端配列を認識して結合し、逆転写およびゲノムへの挿入をおこなう。LINEには様々な種類が知られており、生物群ごとにそれぞれ異なる種類のLINEがゲノムの大きな割合を占める。例えば哺乳類では[[L1]]と呼ばれるLINEが主要であり、例えばヒトゲノムの約17%はL1が占めている。一方、[[wikipedia:ja:ニワトリゲノム|ニワトリゲノム]]ではCR1、[[ゼブラフィッシュ]]ではL2がレトロトランスポゾンの中で最も大きな割合を占める。 | LINEは内部に逆転写酵素とエンドヌクレアーゼをコードする。LINEタンパク質はLINE RNAの3’末端配列を認識して結合し、逆転写およびゲノムへの挿入をおこなう。LINEには様々な種類が知られており、生物群ごとにそれぞれ異なる種類のLINEがゲノムの大きな割合を占める。例えば哺乳類では[[L1]]と呼ばれるLINEが主要であり、例えばヒトゲノムの約17%はL1が占めている。一方、[[wikipedia:ja:ニワトリゲノム|ニワトリゲノム]]ではCR1、[[ゼブラフィッシュ]]ではL2がレトロトランスポゾンの中で最も大きな割合を占める。 | ||
さらにLINEに関連する非自律性因子として、[[wikipedia:short interspersed elements|short interspersed elements]](SINE)が知られている。多くのSINEは[[ | さらにLINEに関連する非自律性因子として、[[wikipedia:short interspersed elements|short interspersed elements]](SINE)が知られている。多くのSINEは[[tRNA]]に起源を持ち、[[wikipedia:RNA polymerase III|RNA polymerase III]]によって転写されたSINE RNAが、LINEタンパク質を利用して転移する。そのためSINEの3’末端配列がLINEの3’末端配列と類似している例が数多く報告されている。SINEは進化的に異なる系統で独立に生成する場合が多く見られる。例えば[[wikipedia:ja:霊長類|霊長類]]の[[wikipedia:Alu|Alu]]、[[wikipedia:ja:齧歯類|齧歯類]]の[[wikipedia:B1|B1]]や[[wikipedia:B2|B2]]など、[[wikipedia:ja:哺乳類|哺乳類]]では目あるいは科レベルで独自のSINEを持つ。Aluはヒトゲノムの10%を占めており、そのコピー数は100万を超える。 | ||
==ゲノムにおける影響== | ==ゲノムにおける影響== |